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人の力になりたいという気持ちが原動力!それが社会の役に立つのがキャリアコンサルタント資格です!!
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コラムVol.3『キャリアコンサルタントの役割とは』

Instructor's Column とは
Instructor's Columnは、「キャリアってなんだろう」「養成講座でどんなことを学ぶんだろう」「でも、なんだか難しそう」といった方に、毎回あるテーマについて、キャリアコンサルタント養成講座の担当講師がわかりやすくご紹介するものです。
キーワードについて担当講師の経験を通して解説したり、キャリアに関する身近なテーマを理論を使って紹介したり、楽しんで読んでいただけるコラムです。
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『キャリアコンサルタントの役割とは』
今回は、2016年に国家資格化となったキャリアコンサルタントはどんな役割を果たすことができるのか、また、どんな役割を期待されているのか、を考えてみたいと思います。
【キャリアコンサルタントの役割】
厚労省はキャリアアコンサルティングとは「労働者の職業選択、職業生活設計または職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言及び指導を行うこと」と定義しています。キャリアコンサルタントはそれを行う専門家です。
活動の場は、企業、ハローワーク、教育現場、若年自立支援機関など多岐にわたります。相談者はキャリアコンサルティングを通じて、自分の特性、興味、価値観、関心などに
気づき自己理解を深めるとともに、社会や組織の仕事を理解することで、主体的に自分のキャリアを選択、意思決定していきます。
定義にある「労働者」とは、労働の意思のある方が含まれます。また、職業生活設計は、広い意味では対価を得る職業だけでなく、ボランティアや地域の活動なども含まれるでしょう。
組織で働く立場からいつか組織を卒業し、次のステージでどのように社会とつながり自分の人生を設計するかなどの支援もキャリアコンサルタントの役割と考えています。

【キャリアコンサルタントに期待される役割】
人生100年時代。
今までのキャリアが通用しなくなる変化の激しい時代に自分を見失わず、キャリア形成していくために私たちキャリアコンサルタントは何ができるだろうと日々「自問自答」しています。
なぜなら、キャリアコンサルタントは、環境の変化を常にキャッチしそれをキャリアコンサルティングに役立て、支援する役割があると感じているからです。
企業内キャリアコンサルティングでは、『目の前の仕事の忙しさに翻弄されて今後のキャリアを設計したくても先が見えない不安が大きく考えられない。』また、『親の介護や子供の進路などプライベートでも悩みは絶えない。そんなことを考えていると自分が何をしたいのかも見えなくなる。』等の 相談が多いです。
私たちが扱う相談者の問題は、単に個人の問題だけでなく、個人を取り巻く環境(地域、職場、家族、文化等)との相互作用によってもたらされていると痛感しています。
コロナ禍、学生は思うように就職活動が進まず、希望していた業界に就職できない人が多いと思います。航空会社を目指し4年間頑張ってきた女子学生がいました。しかし、全ての航空会社が採用を中止し、別の業界を選択することになりました。思い描いていた人生が大きな壁に阻まれて進めないと知った時、どんなに悔しかっただろうと思います。
それでも時は進み、大学を卒業し、社会人としての一歩を踏み出さなければならないのです。
彼女は人と関わる、お客様に喜んでもらえるという軸を頼りに別の業界に就職を決めました。
自己理解と仕事理解、そして様々な環境分析をし、意思決定したのです。
自分で納得感のある意思決定ができたとき、人は自信をもって前に進んでいきます。彼女は『航空会社の夢はあきらめていません。入社した会社で与えられた役割だけでなく、積極的に仕事に取組み、次のステージに行きます!』と笑顔で話してくれました。
その笑顔に苦難を乗り越えた彼女の成長を感じました。キャリアコンサルタントとして幸せな瞬間でした。

著者紹介
山内雅惠(やまうち・まさえ)
モアユアセルフ代表/(株)日本マンパワーキャリアコンサルタント養成講座インストラクター
大学卒業後、出版社勤務、教育関連会社勤務を経て、2004年に人材開発会社に入社。キャリアカウンセラー(16年4月より国家資格キャリアコンサルタント)・研修講師として個人や企業の支援に従事。11年、「モアユアセルフmore yourself」名で独立。(株)日本マンパワーのキャリアコンサルタント養成講座のインストラクターとして、後進の育成にも携わっている。