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人の力になりたいという気持ちが原動力!それが社会の役に立つのがキャリアコンサルタント資格です!!
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キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの違いとは?あなたに合う資格の選び方を解説!

この記事では、キャリアコンサルタントと産業カウンセラーのそれぞれの役割、仕事内容、資格の種類、専門分野、そして活躍の場といった重要な違いを分かりやすく比較し、最適な資格を選ぶためのポイントを詳しく解説します。
キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの概要
「キャリアコンサルタント」と「産業カウンセラー」は混同されやすい資格ですが、それぞれに異なる特徴と専門性があります。自分自身のキャリアプランや、どのような形で人の役に立ちたいかによって、最適な資格は異なります。まずは、それぞれの資格がどのようなものなのか、基本的な定義から見ていきましょう。
【出典】一般社団法人 日本産業カウンセラー協会JAICO「よくあるお問い合わせ」
よくあるお問い合わせ|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
キャリアコンサルタントとは
キャリアコンサルタントは、個人の能力や興味、価値観などに応じて、その人に合った職業選択やキャリアプランの設計・実行を支援する専門家です。2016年4月施行の職業能力開発促進法において国家資格と定められ、「キャリアコンサルタント」という名称を用いて活動するには、国家試験に合格し、資格登録が必須です(名称独占資格)。学生から求職者、在職者まで幅広い層を対象とし、キャリアに関する相談に応じ、必要な情報提供や助言を行います。産業カウンセラーとは
産業カウンセラーは、主に企業や組織で働く人々が抱える悩みや問題に対し、心理学的な手法を用いてサポートする専門家です。一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する民間資格であり、60年以上の歴史があります。職場の人間関係、メンタルヘルスの不調、キャリアに関する不安など、働く人が直面するさまざまな課題に寄り添い、自らの力で解決できるよう支援することを主な目的としています。働く人だけの支援だけではなく、職場環境の改善提案など、組織への働きかけも行うこともあります。キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの主な違いの比較
キャリアコンサルタントと産業カウンセラーは、どちらも「働く人の支援をする」という点では共通していますが、活躍の場や専門性などの違いもあります。それぞれの違いを見ていきましょう。
【出典】一般社団法人 日本産業カウンセラー協会JAICO「よくあるお問い合わせ」
よくあるお問い合わせ|一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
資格の種類と根拠法の違い
キャリアコンサルタントが名称独占の「国家資格」であるのに対し、産業カウンセラーは一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する「民間資格」です。キャリアコンサルタントは職業能力開発促進法に基づき、資格を持たない者は「キャリアコンサルタント」と名乗ることができません。産業カウンセラーは国家資格ではありませんが、民間資格ながら長い歴史と実績があり、広く認知されています。支援対象とする主な領域の違い
キャリアコンサルタントは、個人のキャリア全般にわたる支援を専門とします。職業選択、キャリアプランニング、職業能力の開発といったテーマが中心です。一方、産業カウンセラーは、働く人々のメンタルヘルスケアや職場での人間関係、ハラスメント問題など、より心理的な側面や職場環境への適応支援に重点を置いています。ただし、産業カウンセラーもキャリア形成に関する相談に対応することもあり、両者の領域は一部重なります。求められる専門性とアプローチの違い
キャリアコンサルタントは業界経験や労働市場の知識、各種キャリア理論などを活用し、相談者の自分らしい生き方、生涯にわたる職業生活設計に関わる支援を行います。 相談者の不安・悩みに寄り添う支援はもちろんのこと、相談者自身が自分今後のキャリアを主体的に考えられるように促し、相談者自身のとって望ましい方向へ支援することがキャリアコンサルタントの重要な役割です。
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キャリアコンサルタントとは?|キャリア開発のパイオニア 日本マンパワー |
そして、産業カウンセラーは、カール・ロジャーズの来談者中心療法をベースとした「傾聴」の姿勢を重視し、相談者が自ら問題に気づき、解決していくプロセスを心理的にサポートするアプローチが中心です。
活躍が期待される場の違い
キャリアコンサルタントは、企業の人事・教育部門、人材紹介・派遣会社、ハローワークやジョブカフェなどの公的職業支援機関、大学や専門学校のキャリアセンターなど、幅広いフィールドで活躍が期待されます。
一方、産業カウンセラーは、企業内の健康管理室や相談室、EAP(従業員支援プログラム)を提供する企業、メンタルヘルス専門のクリニックなどで、従業員の心のケアを中心に活動するケースが多く見られます。両資格とも、独立開業して活動する道もあります。
キャリアコンサルタント資格について詳しく
キャリアコンサルタントは、個人の生き方や働き方が多様化する現代において、ますますその重要性が高まっている資格です。ここでは、仕事内容や資格取得のメリット、難易度について具体的に見ていきましょう。
【出典】厚生労働省「キャリアコンサルティング・キャリアコンサルタント」
mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/jinzaikaihatsu/career_consulting.html
キャリアコンサルタントの仕事内容
キャリアコンサルタントの主な仕事は、相談者との対話を通じて、その人らしいキャリアを築くための支援を行うことです。具体的には、自己理解の深化(興味、能力、価値観の明確化)、仕事理解の促進(職業情報、企業情報、業界動向の提供)、キャリアプランの作成支援、意思決定のサポート、応募書類の添削や面接対策、就職・転職後のフォローアップなど、多岐にわたります。企業内で従業員のキャリア開発支援や研修を行うこともあります。キャリアコンサルタントの受験資格と難易度
キャリアコンサルタント国家試験を受験するには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
・厚生労働大臣が認定する講習(キャリアコンサルタント養成講座)を修了した者
・労働者の職業の選択、職業生活設計又は職業能力開発及び向上のいずれかに関する相談に関し3年以上の実務経験を有する者
・技能検定キャリアコンサルティング職種の学科試験又は実技試験に合格した者
試験は学科試験と実技試験(論述・面接)があり、近年の合格率は学科・実技同時受験者で50%~60%前後で推移しています。国家資格の中では比較的取得しやすい部類に入ると言えますが、養成講座の受講や試験対策を計画的に行うことが必要です。
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キャリアコンサルタント資格取得のメリット
国家資格であるため、社会的な信頼性が高く、キャリア支援の専門家としての公的な証明になります。企業の人事部門や人材関連ビジネス、教育機関、公的職業支援機関など、活躍の場が広い点が魅力です。また、自分自身のキャリアを見つめ直す良い機会にもなり、コミュニケーション能力や問題解決能力の向上も期待できます。資格更新制度(5年ごと)があり、継続的な学習を通じて専門性を維持・向上させることが求められます。
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産業カウンセラー資格について詳しく
産業カウンセラーは、働く人の心に寄り添い、メンタルヘルスの維持・向上や職場環境の改善に貢献する専門家です。その仕事内容や資格取得のメリット、難易度について解説します。
【出典】一般社団法人 日本産業カウンセラー協会「働く人の心を支える【産業カウンセラー】って何?」
一般社団法人 日本産業カウンセラー協会 東京支部|働く人の心を支える【産業カウンセラー】オンライン説明会
産業カウンセラーの仕事内容
産業カウンセラーの主な活動は、企業や団体に所属する従業員に対するカウンセリングです。職場の人間関係の悩み、仕事上のストレス、ハラスメント、メンタル不調、キャリアの不安など、さまざまな相談に対応します。カウンセリングを通じて従業員が自ら問題を整理し、解決の糸口を見つける手助けをします。また、メンタルヘルス研修の講師を務めたり、職場環境改善のためのコンサルテーションを行ったりと、組織全体への働きかけも重要な役割です。産業カウンセラーの受験資格と難易度
産業カウンセラー試験を受験するには、一般社団法人日本産業カウンセラー協会が実施する産業カウンセラー養成講座を修了する、または大学院で指定の心理学系科目を修了するなどの要件があります。
試験は学科試験と実技試験(面接)で構成され、合格率は例年60%~70%程度となっています。
産業カウンセラー資格取得のメリット
働く人のメンタルヘルス支援という専門性が身につき、企業内での相談業務やEAP関連企業などで活躍できます。講座で体系的に知識やスキルを学ぶことにより、傾聴力や共感力といった対人支援スキルが磨かれます。また、自分自身のストレスマネジメント能力の向上にも繋がります。資格取得後も協会が提供する研修などで継続的に学びを深めることができます。どちらの資格があなたに向いている?選び方のポイント
キャリアコンサルタントと産業カウンセラー、それぞれの特徴を理解した上で、どちらの資格が自分に合っているのかを考えることが大切です。自身の興味関心や、将来どのような分野で活躍したいかによって、選択は変わってきます。キャリア相談全般や就職・転職支援に関心がある人
個人のキャリアプラン作成支援や、具体的な就職・転職活動のサポート、職業能力開発など、キャリア形成のプロセスに幅広く関わりたい方には、キャリアコンサルタントが向いているでしょう。職場のメンタルヘルスや人間関係改善に関心がある人
働く人の心の健康を守りたい、ストレスや悩みを抱える人を心理的な側面からサポートしたい、より良い職場環境づくりに貢献したいという思いが強い方には、産業カウンセラーが向いているでしょう。ダブルライセンスも選択肢の一つ
キャリア支援とメンタルヘルス支援の両方の専門性を持ちたいと考えるなら、キャリアコンサルタントと産業カウンセラーの両方の資格を取得する「ダブルライセンス」も有効な選択肢です。相談者の抱える問題は、キャリアとメンタルの両面が複雑に絡み合っていることも少なくありません。両方の視点を持つことで、より多角的で深い支援が可能になり、活躍の幅も広がります。資格取得に向けたステップ
キャリアコンサルタントや産業カウンセラーの資格取得を目指すには、計画的な準備が必要です。ここでは、資格取得に向けた一般的なステップをご紹介します。養成講座の受講を検討する
キャリアコンサルタントも産業カウンセラーも資格試験の受験資格を得るために指定された養成講座があります。 養成講座では、理論の学習だけでなく、ロールプレイなどの実践的な演習を通じてスキルを習得します。通学型、オンライン型などさまざまな形態があるので、自分のライフスタイルに合った講座を選びましょう。
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キャリアコンサルタント養成講座で利用できる教育訓練制度とは?対象者や利用方法を解説 | キャリアコンサルタントLibrary |
試験情報と学習方法を調べる
各資格の公式サイトで、最新の試験日程、試験科目、出題範囲、合格基準などを確認しましょう。過去問題や参考書を活用して、学科試験対策と実技試験対策を進めます。特に実技試験(面接・論述)は、独学だけでなく、講座の仲間との練習やフィードバックが重要になります。 また、有資格者や講師からのフィードバックを受けて、実力を高めることも有効です。教育訓練給付制度の活用も考える
キャリアコンサルタント養成講座や産業カウンセラー養成講座は、厚生労働大臣が指定する「教育訓練給付制度」の対象となっている場合があります。この制度を利用すると、受講費の一部が国から支給されるため、経済的な負担を軽減できます。利用条件などを確認し、該当する場合は活用を検討しましょう。まとめ
キャリアコンサルタントと産業カウンセラーは、どちらも人々のキャリアや働く上での課題解決を支援するやりがいのある専門職です。キャリアコンサルタントはキャリア形成全般を、産業カウンセラーは主に働く人のメンタルヘルスをサポートするという専門領域の違いがあります。
それぞれの仕事内容、資格の特性、求められるスキルをよく理解し、ご自身の興味や将来の目標に照らし合わせて、最適な資格を選んでください。この記事が、あなたの資格選びの一助となれば幸いです。