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ジョブ・カードとは?part1 基本情報について徹底解説!

社会環境が目まぐるしく変化し、先行きが不透明な時代の中で、働く個人は、自分自身のキャリアを自分で自律的・継続的に考える必要があります。

このような時代背景の中で、役に立つツールが厚生労働省が推奨する「ジョブ・カード」です。

 

ジョブ・カードの様式(各種シート)は、厚生労働省の専用ウェブサイト「マイジョブ・カード」から無料でダウンロードできます。このサイトでは、様式のダウンロードだけでなく、ウェブ上でジョブ・カードを作成・編集・保存することも可能です。また、一部のハローワークの窓口でも入手できる場合があります。
引用:厚生労働省 マイジョブ・カード

ジョブ・カードとは?注目される背景

ジョブ・カード制度について、基本的な定義と、なぜ近年この制度が多くの企業や個人から注目を集めているのか、その社会的背景を解説します。

ジョブ・カードの定義と目的

ジョブ・カードとは、個人の生涯を通じたキャリアプランニングや職業能力の証明に役立つツールとして、厚生労働省が推奨しているものです。「生涯キャリア・プランニング・ツール」とも呼ばれ、個人の職務経歴、学習歴、職業訓練歴、免許・資格、キャリアコンサルティングで得られたアドバイスなどを記録し、整理することができます。 ジョブ・カードの主な用途は、以下の3点です。

1. 個人のキャリア意識の向上と主体的なキャリア形成の促進:自身の強みや価値観を客観的に把握し、将来のキャリア目標を設定する手助けをします。

2. 職業能力の「見える化」と円滑な就職・転職支援:これまでの経験やスキルを具体的に示すことで、求職活動やキャリアチェンジをスムーズに進めることを目指します。

3. 企業による計画的な人材育成の支援:従業員のキャリアプランと企業のニーズをすり合わせ、効果的なOJT(On-the-Job Training)や研修プログラムの策定に活用できます。

この制度は、求職者、在職者、学生など、幅広い層の人々が活用できるよう設計されています。

 
対象者 主な活用目的
求職者 再就職支援、職業能力の証明、自己PR資料の作成
在職者 キャリアアップ、社内でのキャリアパス構築、スキル開発
学生 自己分析、職業理解、インターンシップや就職活動の準備
企業 人材育成計画の策定、採用ミスマッチの防止、従業員の定着
教育訓練機関 訓練効果の把握、訓練生へのキャリア指導

関連記事: ジョブ・カードとは?part2 企業・個人の活用メリットを徹底解説!

ジョブ・カードの種類と対象者

ジョブ・カードは、利用する人の状況や目的に合わせて、いくつかの種類が用意されています。それぞれの対象者と主な用途を理解することで、より効果的にジョブ・カードを活用することができます。大きく分けて、求職者向け、在職者向け、学生向けの様式があります。

求職者向けジョブ・カード

求職者向けのジョブ・カードは、主にこれから就職活動を行う方や、転職を考えている方を対象としています。具体的には、離職して新たな仕事を探している方、フリーターから正社員を目指す方、職業訓練の受講を希望する方などが該当します。 このジョブ・カードは、これまでの職務経歴や学習歴、取得した資格などを詳細に記入することで、自身の強みやアピールポイントを整理し、応募書類の作成や面接対策に役立てることを目的としています。

  
求職者向けジョブカードの主な構成シート 内容
キャリアプランシート 将来のキャリア目標や希望する働き方、
そのために必要なことなどを記入する
職務経歴シート これまでの職務内容、役職、成果などを
具体的に記入する
免許・資格シート 保有している免許や資格を記入する
学習歴・訓練歴シート これまでに受けた教育訓練や
自己啓発の記録を記入する
(職業能力証明(訓練成果・実務成果)シート) 職業訓練の成果や、
実務における具体的な成果を、
第三者の評価を交えて記入する場合に使用する。

これらのシートに丁寧に情報を記入することで、自身のキャリアの棚卸しができ、客観的な視点から自己分析を進めることが可能になります。

在職者向けジョブ・カード

在職者向けのジョブ・カードは、現在企業等で働いている方が、今後のキャリアアップや社内でのキャリア形成を考える際に活用することを目的としています。正社員だけでなく、契約社員やパートタイム労働者など、雇用形態に関わらず利用できます。 このジョブ・カードは、現在の職務内容やこれまでの社内での経験、身につけたスキルなどを記録し、上司とのキャリア面談や人事評価の際の自己評価資料、あるいは社内公募制度への応募書類として活用できます。

学生向けジョブ・カード

学生向けのジョブ・カードは、主にこれから就職活動を始める大学生や専門学校生などを対象としています。インターンシップへの参加や、本格的な就職活動を前に自己分析を深め、将来のキャリアについて考えるきっかけを提供することを目的としています。 このジョブ・カードには、学業で力を入れたこと、サークル活動やアルバイト経験、ボランティア活動などを通じて得た経験やスキルを記入する欄が設けられています。これにより、学生は自身の強みや関心事を整理し、企業へのエントリーシート作成や面接での自己PRに活かすことができます。

ジョブ・カードが近年注目される社会的背景

近年、ジョブ・カードが企業や個人から改めて注目を集めている背景には、いくつかの社会的な変化が影響しています。終身雇用制度の揺らぎや働き方の多様化、そして人生100年時代といわれる現代において、個人のキャリア自律の重要性が増していることが大きな要因です。

 • 働き方の多様化と流動性の高まり:非正規雇用の増加や転職の一般化により、個人が自身のキャリアを主体的に設計し、市場価値を高めていく必要性が高まっていま

 • デジタルトランスフォーメーション(DX)の進展と求められるスキルの変化:技術革新のスピードが速く、企業が必要とするスキルも常に変化しています。従業員はリスキリング(学び直し)を通じて新たなスキルを習得する必要があり、企業はその支援が求められます。ジョブ・カードは、現状のスキルを把握し、今後習得すべきスキルを明確にするのに役立ちます。

 • 人生100年時代におけるキャリアの長期化:働く期間が長くなる中で、一つの会社に勤め上げるだけでなく、複数のキャリアを経験することも珍しくなくなりました。長期的な視点でのキャリアプランニングが不可欠となり、ジョブ・カードがその一助となります。

 • 国によるキャリア形成支援の強化:政府も「人への投資」を重要政策と位置づけ、個人のキャリア形成支援や企業の従業員育成支援を強化しています。ジョブ・カードの活用は、これらの政策とも連動しており、助成金制度の対象となる場合もあります。

これらの背景から、ジョブ・カードは単なる記録ツールとしてだけでなく、変化の時代を生き抜くための戦略的なキャリアマネジメントツールとしての価値が高まっています。

まとめ

ジョブ・カードは、個人の主体的なキャリア形成を支援し、企業の計画的な人材育成を促進するための有効なツールです。作成手順を一つひとつ確認しながら取り組むことで、自分自身のキャリアプランが見えてきます。ぜひこの機会に、ジョブ・カードを活用して、自分らしい働き方や将来のビジョンを描いてみてください。

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