社会人になって２０年ほど、この年齢ではもう子どもは授からないだろうと思っていたところ、突然授かりました。
もちろん喜びもありましたが、夫婦二人でのんびり暮らすのかなぁと思っていた未来図が、大幅に変わったことの驚きも、同じくらい大きかったです。出産後は生活が一変し、まさに子ども中心の生活。昼夜関係のない3時間おきの授乳、理由のわからないギャン泣き等など・・・。知識や経験のない育児に、自分ではコントロールできない状況に、なんとか毎日対処して過ごしていました。
出産前までは自分の時間を楽しむことを大切にしていたので、それまでの生活とのギャップに気持ちが追い付かず、モヤモヤとして落ち込む日もありました。
育休のリミットが近づくにつれて、仕事に復帰したら両立できるのかという不安や焦りも出てきました。

育児休暇後は、前と同じ職場に戻りました。私の場合、何か両立のために特別なことを実践しているわけではありません。
仕事は、以前に比べたら全然周囲についていけていません。子育ても、子どもによくイライラしますし、家事も夕食は近所で買ったお惣菜の時も珍しくなく、全然できているとはいえません。しかし、もう完璧にできない自分を認めることにしました。
できない自分を受け容れて、無理せず生活しようと心がけています。
仕事は1年半ほどのブランクがありますが、それをマイナスと思わず「育児の知識を得た期間」であり、何か仕事に役に立つ日が来るかも、と意味づけを変えて捉えるようにしました。
両立を始めてまだ半年程度。これからも色々あると思いますが、こういった自分の心がけを、状況によって柔軟に変えながら、協力してくれる人に感謝しつつ両立していけたら、と思っています。

キャリアコンサルタント養成講座では、たくさんのキャリア理論を学びます。理論は相談者を支援するために学びますが、自分の人生にも当てはめて活用することができます。
私は育休中、夫に子どものお世話を任せて一人で外出した時、自分についてボーっと考えました。「私のモヤモヤの素って何なのかなぁ？」　そう考えた時、「自分の生活に母親としての役割が加わったこと。それが思った以上に大きかったこと。今まで大切にしていた、自分で自由に使える時間がなくなったこと」と感じました。すると養成講座で学んだ、スーパーという理論家の理論を思い出しました。
スーパーは「キャリアとは人生のそれぞれの時期で果たす役割の組み合わせである」と言っています。人は人生のそれぞれの時期によって、それらの役割の比重を変えながら生きていくというものです。
この理論を自分に当てはめて考えると、以前は職業人として仕事をする時間をメインに持ちながら、空いた時間は自分の余暇を楽しむことを大切にしていた。今は親としての役割が大きく加わって、前と比べてそれぞれの役割にかける時間やエネルギーの比重が変わった。大切にしていた自分の時間も減っている。
けれど5年後には、子どももトイレも一人で行ってくれる。ご飯もキレイに食べてくれる。服も自分で着てくれる。おそらく今よりずっと生活においては手がかからなくなる。そうなれば、また役割の比重が変わり、自分の自由な時間がきっと増えるはず！と、気持ちが少し楽になり、頑張ろうと前向きに思えるようになりました。
キャリアコンサルタント養成講座は、自分の過去や今を客観的に見つめ、将来に向けて自分らしく前向きに生きるためのヒントをたくさん教えてくれた講座だったと改めて感じています。
これから進学や就職など、子どもがキャリアを選択していく際にも、講座で得た知識を活用できると思います。

子育てをしていると自分のことは後回しになりがちです。しかし私たちも「自分らしく生きる」ことを忘れずに自分が大切にしたいことや、ありたい自分について立ち止まって考えることが大切だと思います。
キャリアコンサルタント養成講座は、相談に来てくださる方のキャリア形成を、専門家として支援するために学習する講座ですが、同時に自分自身が、自分軸を持って成長するために使える知識を身に着けることができる講座です。
忙しくてなかなか時間が取れない方も多いと思いますが、もし時間が作れそうなタイミングが来たら、思い切って受講を検討してみてください！