まさに「人生の夏休み」という言葉がぴったりな大学生活を送っていた3 年生の 3 月、就職活動が始まりました。　　
慣れないリクルートスーツを着て、選考を受けては不採用通知メールに落ち込む日々を乗り越えて、ありがたいことに3社から内々定をいただきました。
3社はそれぞれ魅力に感じていた事が異なっており、これからの人生を左右するような大きな選択にとても悩みました。
 

悩んだ私は、家族や友人に何度も相談しました。
全員が「同じ1社が良いのでは」とアドバイスをくれ、私自身も「そうかも」と思いながらも何故か決断しきれない自分がいました。

そんな時に、高校生の頃に所属していた部活の顧問の先生にお会いする機会がありました。
先生にも企業選びについて相談したところ、家族や友人が勧めてくれた企業を挙げたうえで、
「でも、自分の中で答えは出ていたと思うよ、誰かに背中を押して欲しかっただけでしょ」との回答をいただきました。
先生が私のどんな様子からそのように思われたかは分かりませんが、 その一言により、
「心の奥では答えが出ていたけれど、選択に自信が持てず肯定して欲しいと思っていた自分」に気づき、やっと決断をすることができました。

キャリアコンサルタント養成講座の中では、自分の過去を棚卸しするワークも多数あります。
その中で、就職活動について振り返り、気づいたことは2つです。

1つ目は、外的キャリアと内的キャリアについてです。
内定をいただいた3社のうち、入社した企業は、事業内容が関心のある分野であること、働き方等の内的キャリアの部分に魅力を感じていました。
それに対し、内々定を辞退した2社は、企業規模や知名度等の外的キャリアに魅力を感じていたことに気がつきました。
外的キャリアを重視することも１つの価値観だと思いますが、当時の私は、「誰もが知っているような大企業が良い」などの他者視点ばかりを重視していて、自分が実際に働くことをあまり意識できていなかったと思います。

2つ目は、私が1番大切にしている価値観についてです。
就職活動をしていた当時、自己分析をして自分の価値観を分かったつもりになっていましたが、「なぜ大切にしているか」や、「1番大切にしている価値観はなにか」まで気づけていなかったと思います。
養成講座での価値観についてのワークや、クラスメイトと過去の経験について対話をすることで、明確になっていきました。
もし、就職活動中に、価値観が明確になっていれば、どの企業の内定を承諾するかについて、相談をせずに1人で決められていたかもしれません。

内定承諾をした企業に入社し、4年が経ちました。
入社1年目は、内々定を辞退した2社に入社していたら…と考えることもありましたが、
今はあの時の選択に後悔はありません。
その要因の1つは、「自分で選択したこと」だと思っています。
誰かに決めてもらったのではなく、自分が選択したからこそ、納得し前向きに頑張ることができました。
次は、私が誰かの選択や、心の奥にある答えを一緒に明確にしていく支援ができるようになりたいと思います。