結婚し、生活も落ち着いた頃に夫に転勤の辞令が出されました。その時は漠然と「ついて行くしかないな」と思いました。
夫婦共に初めての土地で生活環境がガラリと変わることもあり、話し合った結果、私は専業主婦として夫のサポートに専念することに決めました。
専業主婦として過ごした約４年間は過去、現在、将来について度々考え、これまでの人生で一番自分の気持ちに向き合った時間でした。
そのような時間を過ごすうちに、自分なりに考えて決めたはずの夫をサポートするということは本当に自分がやりたいことなのかと疑問をもつようになりました。
この疑問は私がまた働きたいと思う大きなきっかけになったと思います。
また、働いていた時の自分と主婦として過ごす自分を比べてみて性格が変わってしまったように感じたこともきっかけの一つです。

転勤先に生活拠点を移した後、知り合いもほとんどいない慣れない土地で過ごすことに初めはずっと「寂しい」と感じていました。
さらに、程なくしてコロナ禍となり、夫以外の人と話す機会がほとんど無くなってしまいました。
働いていた頃は当たり前だった様々な立場や年齢の人と関わる機会が無くなってしまったことで急に社会から取り残されてしまったような気持ちになり、自分の殻に籠っていくような感覚もありました。外出した際に働いている人を見かけ「羨ましい」と思う一方で、自分が組織で働き社会と再び関わることができるのだろうかという怖さや抵抗感も持っていることに気付き、このまま専業主婦でいることは私にとって良いことなのだろうかと考えるようになりました。
しかし、自分のために使える時間は増えたので、在職中にできなかったことをやってみようと思い、２つのことを行いました。
①自分が学びたかったことを勉強し、試験に挑戦する
②友人や家族、お世話になった人たちと関わる機会を積極的に持つ

まず、試験に向けた学習は決められた期間での目標設定をすることになり、日々の生活にメリハリをつけることができました。
また、友人や家族、お世話になった人と頻繁に連絡を取ることで、孤独感を感じることが少しずつ減り、今の自分を冷静に受け止めて考える気持ちの余裕も持てるようになりました。
転勤前、そしてコロナ禍以前は、いつでも会いたい人に会える環境を当たり前のように思っていましたが、そのような環境から離れてみて、自ら積極的に機会を作っていくことが大切なのだと感じました。
周囲の人との繋がりを持ち続けたことは会社に復帰して働きたいと思うきっかけにもなり、将来の自分自身にとって良い影響を与えたと思います。

今思えば、夫の転勤が決まった時は人生が大きく変わる大事な選択となるにも関わらず、じっくり考える時間が少なく、自分の考えや受け止めが追い付いていないような状態でした。
そんな私が配偶者の転勤というライフイベントを前向きに捉え、現在に活かすことができたのはやはりキャリアコンサルタント養成講座を通じて得た学びがあったからだと思っています。
講座のカリキュラムには現在の自分を分析するだけでなく、過去の出来事を振り返り、それに対して自分がどのように感じ、何を考えて、どのように行動したのかをじっくり振り返るワークも盛り込まれていました。
このようなワークを通じて自分に起きた出来事を振り返る習慣が定着していたため、仕事から離れている間、自分自身に対してキャリアコンサルティングをしているような感覚で過ごすことができました。

日々の生活で起こる出来事に対して都度考えこむ必要はないかもしれませんが、自分が何を大切にしていきたいのか、どのような場面でどんな考え方や行動をする傾向があるのかを知ることは、現在そして未来の自分がより意味のある人生を送るために大切なことだと思います。
また、今回の経験を通じ、変えることのできない過去の出来事に対しても様々な視点を持つことで、より前向きな気持ちで向き合えるようになるのだと改めて感じました。

ライフイベントは年齢や性別、物事の大小問わず誰しもが経験することであり、それに限らず日々の生活のなかで起こるちょっとした出来事も人生を構成する大切な要素になり得ると思います。
そういった事に対する自分の気持ちや考え方によって、人生が作られ意味づけがされていくのだということを今回のライフイベントを通じて学ぶことができました。
キャリアコンサルタント養成講座は資格取得も目標の一つにはなりますが、私のように自分自身が日々の生活で感じたことを振り返るような機会にもなると思います。
これからの時代を作る社会の一人として、より充実した生き方に繋がるような学びをしてみたいという方はぜひ、講座の受講、そして資格取得にもチャレンジしてみてください。