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My iris career

マザーキャリア

鎌村 貴子さん

プロフィール

三児の母。大学卒業後、民間企業で人事部に従事。その後、大学のキャリアセンター、出産後は大学事務局での非常勤職員在職中、キャリアコンサルタント資格取得。取得後、人材派遣会社で営業・フォロー業務、教育関係を経て、第三子出産後は育児を中心とした生活の傍ら、フリーで活動。

三回の転機と成長

転機は、三人それぞれの出産と育児です。
第一子出産後は、子どもの成長と共に、自分も母親としてだけでなく一人の人間としても成長したい!という思いが強く、子育てと仕事の両立にもがきながらも「キャリアコンサルタント」の資格取得を目指していたのを今でも鮮明に覚えています。自分のために注ぐパワーは、当時体力的に疲れましたが、養成講座での学びが新鮮でエネルギーにもなっていました。
第二子出産後は、資格を活かした派遣会社や教育関係の仕事にやりがいを感じるとともに、人と向き合う仕事だからこその難しさも感じつつ、資格で学んだ悩みに対して「問題解決をしようとする」のではなく、「自分は、目の前の問題に何故こう感じるのだろう」と背景をみようとすることで、俯瞰的に捉え、整理するような思考がつきました。自分を「こういう人間だ、こういう価値観を大切にしている」と自己理解することで、「あー、だからこう思うんだな」と知るだけでも、何だか成長したと感じました。
第三子出産後は、子ども三人とも同じ保育園に預けながら・・・と思っていましたが、あえなく落選。最初は落ち込みましたが、今は三人の子育てをキャリア教育のひとつだなと思うことも多く、「キャリアコンサルタント」の資格が仕事だけでなく、子育てにも活かされ、子供に成長させてもらっている自分がいます。


子育てと母親、そしてキャリア

やはり、母になったことでの、キャリアの影響は大きかったように思います。
第一子出産後は、日々の生活の中で「子育てと仕事の両立」をしたい自分がいました。子育ても大切、キャリアで成長する自分も大切にしたいという考えもあったように思います。両方大切にしたいが故に、子どもが小さいと保育園の送り迎えや病気など、どうしても自分のペースで身動きが取りづらかったのがジレンマでした。そのように感じること自体が「母親としての覚悟が足りてないのか」と思う時もありました。
第二子出産後は、キャリアコンサルタント業務に就きたいと思いつつ、子どもの預かりや送り迎え等を考慮すると、求人票はなかなか踏み出せないものばかりで、ここでも母親としての身動きの取りづらさを感じました。「仕事をしたい自分」と「母親としての役割」のギャップに悩みましたが、母親としての役割を尊重してくれる職場で、結果キャリアコンサルタントを活かすことができるところを・・・という視点で仕事を考えました。ご縁があった派遣会社と教育会社では、「身動きの取りづらい自分」を受け入れてもらえたような気がしました。また、実際に資格を活かした仕事をすると、当時は「これで良かったのだろうか・・・?もう少し違うかかわり方ができたのではないか」と思う時もありましたが、今思えばそれを含めて、常に「もっとよいかかわり方をしたい」と自己研鑽を続けるのもこの資格の醍醐味かなと思います。
三人目の出産後は、保育園に落ちたことで「そもそも自分が子どもを預けて働ける状況にない」、しかも自分でどうにかできることではないことなので最初は落ち込みました。ですが、資格取得を通じて学んだことにより、むしろこの状況を「三人の子育てと仕事の同時でなくてもよいのでは?日々のどんな経験もキャリアになるのでは?」と捉えることができました。


ヨシとする自分の変化

キャリアコンサルタントの学びは、漠然としていた自分の考えの癖が「こういうことだったんだな」と自己理解することで、他己理解も進んだことです。
私は、第一子が3歳の頃に資格を取得したのですが、このタイミングで学んで本当に良かったと思います。現在、子どもが10歳、6歳、2歳と子育て真っ最中の道半ばの立場ですが、それぞれ私とは人格も個性も違う3人に「何で、こんなことするの?!信じられない!」ではなく、「何でこんなことするんだろう、この子にはどんな考え方や感情があるのかな。あー、この子はこう捉えるからそういう行動に出るんだな」と尊重しながらかかわることの大切さを、資格取得を通じて学び、日々の子育てに活かされています。養成講座では、様々な理論やキャリアの情報も得られるので、これから未来を担う子どもたちがどういう環境で成長していくのか親として知っておいて本当に良かったです。
普段の生活では知ることのない発達理論なども、子どもや自分の発達段階の裏付けとして、納得感のいくものでした。私は、よく「成長」という言葉を使うのですが、正直子ども中心の生活に停滞感や疲弊感を感じることがあります。養成講座で学ぶ、エリクソンの理論によると私の発達段階の成長期では、「世話」という徳を確立しようとしているとあり、そういうことを知ると「私は、今そういう成長段階にあるんだ」と逆にその先の「世話」の徳を確立する時の自分が楽しみになったりします。キャリアコンサルタントの学びは、仕事の相談業務で活かせるのはもちろんのこと、こんなに子育てで役立つとは思いませんでした。
正直、当初は三人目を保育園に預けてしっかり働こうと思っており、「子育てと仕事」の両立を同時にしようとする自分をヨシとしていました。しかし、落選したことで「子育て」と「仕事」は子どもの成長とともに変化させ、今は子育て中心で、周りに協力を得ながらフリーでできる範囲の仕事をすることをヨシとし、人生のトータルで両立したいと思う自分になりました。


「誰かの役に立ちたい」その気持ち

「キャリアコンサルタント」というと、国家資格の位置づけなので社内キャリアカウンセリング、人材ビジネス、行政、大学など「ビジネスでどう活かそう・・・」というきっかけで興味を持つ方も多いかと思います。私も取得のきっかけはまさにそうでした。ただ、実際取得すると、人のあるところには全て活かせるのではないかと感じました。
会社などの組織では、それぞれにチームがあり、そこに上司・部下・先輩・後輩・派遣社員・契約社員・パートと存在しているところも少なくないと思います。子育てをしていて感じたのは、例えば組織=家庭、上司=親、部下=子ども、先輩・後輩=兄弟などに置き換えても成り立つのではないかと。
同様に、人材育成=子どものキャリア教育と捉えられるのかなと思うと、ビジネスだけがキャリアコンサルタントを活かす場なのではなく、生活全てに可能性があるのではないかと感じています。
この資格に関心のある方は、きっと「誰かの役に立ちたい」と思う方が多いのではないでしょうか。
その「誰かの役に立ちたい」の気持ちがあふれる方々が、ビジネス・教育・介護・病気・家庭・育児など様々な場面でこのキャリアコンサルタントの資格を活かしたら、より良い社会になるような気がしてなりません。



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