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キャリアコンサルタント・CDAにインタビュー

人の力になりたいという気持ちが原動力!それが社会の役に立つのがキャリアコンサルタント資格です!!

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社労士が解説!Vol.3『キャリアコンサルティングの効果って?能開法改正のポイント』

Instructor's Column

  • 原 博子 氏
  • キャリアコンサルタント・CDA [千葉県]

キャリアコンサルタント養成講座インストラクター(千葉県)

大学卒業後、不動産会社で勤務しつつ、シナリオライターとしても活動。退職後はシナリオライターとして独立したものの、結婚・出産を機に昼夜問わずの仕事であるライター業を継続することが困難になり、悩んだ末キャリアチェンジ。自宅近くの社会保険労務士事務所でパートをしつつ資格取得を目指し、社会保険労務士資格取得。その後、社労士として活動する中で、「組織もそこで働く人もHappyになること」を模索していたところ、キャリアコンサルタントの学びと出逢う。

現在は、労務管理コンサルタント・キャリアコンサルタントとして、企業や行政機関を中心に活動中。専門領域は「治療と仕事の両立支援」及び「障害者雇用」。

■はじめに

皆さん、こんにちは。原博子です。
今回のコラムのテーマは「法律」です。

「えっ〜〜?法律?じゃあ、読むの、止めようかな」と 思った皆さん、もう少しだけお付き合いくださると嬉しいです!

「法律」というと、「難しそう」とか「苦手」に感じる、かもしれません。
実は、わたしも以前はそうでした。

でも、社労士事務所勤務時代、事務所の先輩から「法律の改正が行われる時、そこには社会の変化があるんだよ」って言われて。それ以来、ちょっとだけ法律が身近な存在になりました。

「社会の変化を法律から感じる」

法律と少しだけ仲良くなれたような気がしたことを今でも覚えています。

そんなわけで今回のコラムのテーマは「法律」。取り上げる法律は「職業能力開発促進法」です。令和4年4月1日に法改正が行われたとてもホットな法律なんです(一部は令和4年10月1日に改正)。
さて、どんな社会の変化があったんでしょう?そのことにも触れつつ、まずは、「職業能力開発促進法」がどんな法律なのか、見ていきましょう。

■職業能力開発促進法って?

まず「目的」ですね。
法律の目的を見ると、「なるほど、そういうことを定めている法律なのね」と感じることができます。

いかがですか?ポイントは「職業能力」という言葉ですね。労働者の「職業能力」を向上させることが、労働者自身のキャリア形成に役立つばかりでなく、そういった労働者によって、経済や社会の発展につながるんだ、と。

だからこそ、「事業主は労働者の『職業能力』の向上のために支援をすることが必要」という考え方です。「経済や社会」というちょっと広い視点で書かれていますが、もう少し身近なところで見ていくと、労働者の「職業能力」の向上は、その労働者が所属する組織の発展につながるということなのです。 

■改正のポイント

「目的」を確認したところで、次は今回の改正のポイントを見ていきましょう。

 

このように、今回の改正により、労働者の「職業能力」の向上のために事業主が行うことが明確化され、キャリアコンサルタントの有効活用についての記載も追加されました。

法改正により、ますます高まるキャリアコンサルティングへの関心。
同時に、事業主の皆さんから最近よく受ける質問がこちら。

「キャリアコンサルティングって、どんな効果があるの?」

先日もとある企業のH社長さんから、こんな質問(不安?)を投げかけられました。

実は、こういった質問って、H社長さん以外からもされたことがあります。
H社長さんのように「キャリアコンサルティング=悩み相談」のように捉えておられると、「悩み事の解決⇒その問題を除く⇒場合によっては転職」と、思われるのでしょう。

確かにキャリアコンサルティングは悩みを聴き、結果としてそれを取り除くことも最終的には労働者の方と共に考えます。でも、まず、大切にするのは、「その人らしさ」。

「その人らしい生き方を支援する専門家」がキャリアコンサルタントなんです。
「厚生労働省の『セルフ・キャリアドック』導入の方針と展開」というマニュアルには、下記のように書かれています。(P32参照)

※厚生労働省「セルフ・キャリアドック」導入の方針と展開

https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11800000-Shokugyounouryokukaihatsukyoku/0000192530.pdf

■キャリアコンサルティングの効果

では、なぜ、「自分自身のことを深く知る」ことが、キャリアの充実につながり、それが組織の活性化になるんでしょうか?
わたしが以前キャリアコンサルティングで出逢ったSさんの言葉の中に、その答えがあるように思います。

■Sさんの言葉

「自分がなぜこの会社に入ったのか、思い出しました。毎日、忙しくて、そんなこと思い出しもしなかったけど・・・」

Sさんは、そのようにしみじみと仰いました。
 
Sさんの自分らしさは「チャレンジすること」。何事にもチャレンジすることを大切にしてきたSさん。キャリアコンサルティングをする中で、そんなご自身を思い出していきました。

Sさんは中途採用でこの会社に入社。企業理念である「挑戦」という言葉に強くひかれての入社でした。

「最近、会社の業績がイマイチで、挑戦することに後ろ向きになっている雰囲気が社内にあって。『この会社にいてもなぁ・・』って。でも・・一番、挑戦していなかったのは・・僕だったのかなぁ・・・チャレンジをするためにこの会社に入ったのに・・・」

Sさんは語りながら「自分らしさ」についてあらためて自問自答していらっしゃいました。

「この会社で自分が今何をできるのか、もう一度考え直してみます」

こう力強く言葉にされました。その後、Sさんは新たな企画を立ち上げ、推進力を発揮。業績が低調で元気のなかった会社を、Sさんの「チャレンジ」で盛り上げていきました。
このように、キャリアコンサルティングは「その人らしさ」を明確にし、「その人らしさ」をどのように組織で発揮していくかを共に考えることができるのです。

「自分も活かし、組織も活性化する」
 
キャリアコンサルティングには、そんな効果があるようにわたしは日々の活動の中で感じています。
今回も最後までお読み頂き、本当にありがとうございました。また次回お逢いしましょう! 

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