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キャリアコンサルタント・CDAにインタビュー

人の力になりたいという気持ちが原動力!それが社会の役に立つのがキャリアコンサルタント資格です!!

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キャリアコンサルタントへの期待(筑波大学 岡田昌毅先生)

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  • 岡田 昌毅 氏
  • 筑波大学 人間系 教授 博士(心理学)、働く人への心理支援開発研究センター長

所属先:筑波大学 人間系 教授 博士(心理学)、働く人への心理支援開発研究センター長

新日本製鐵株式会社、新日鉄ソリューションズ株式会社において電気系設備エンジニアリング、新規事業、人材育成に従事し、2010年12月から筑波大学大学院 人間総合科学研究科 生涯発達科学専攻 教授、現在に至る。

筑波大学大学院教育研究科カウンセリング専攻カウンセリングコース(夜間社会人大学院)修了。名古屋大学大学院教育発達科学研究科博士後期課程心理発達科学専攻修了。

主な著書に「働くひとの心理学−働くこと,キャリアを発達させること,そして生涯発達すること−」、「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ−プラットフォーム能力の視点で−」などがある。

コロナ禍により環境の変化が激しくなっています。どのように捉えていますか。

私がセンター長を務める筑波大学働く人への心理支援開発研究センターでは、先般、企業就業者を対象とした、コロナ禍におけるテレワークによる変化に関する学術調査*を実施しました。
その結果、テレワークにより業務効率が進み、業務の意味を考えるようになったなど良い変化があった一方で、成果を出せる人と出せない人の差が明らかになる傾向や、職場全体の把握や新しい人間関係を築くことが難しくなったなどコミュニケーションが取りづらくなったという変化がみられました。
また、プライベートの時間や自由度が増え、働きやすくなった一方で、孤独や不安を感じる人も一定層いることがわかりました。このような状況を中長期的視点で見ると、人間関係の固定化により人との交流から生まれる創造性が醸成されにくく新しい発想が生まれにくいという問題につながります。
そして、組織全体の一体感が育ちにくく、企業全体が一つの理念に沿って活動する機運が生まれにくくなる可能性も考えられます。テレワークが急激に広がりつつある現時点で、こうした中長期的な問題に目を向けた取り組みが重要だと考えます。
* http://www.human.tsukuba.ac.jp/counseling/center/teleworksurveyreport/

今後、キャリアコンサルタントにどのような期待をされますか?

どのような環境下においても、キャリアコンサルタントは人や組織の成長を支援していくことに変わりはありません。そして、人や組織の成長を支援するキャリアコンサルタントであるからこそ、自らも成長し続けることが必要だと思います。
渡辺三枝子先生の著書「新版カウンセリング心理学」の中に、「有能なカウンセラーは、確かに繊細で敏感で、他者に対して心配りができるが、同時に非常に冷静で、論理的に現状を分析し、認識し、現実的で必要な時に明確なはっきりとした決断のできる人である。また、なによりも、常識のある、社会的に成熟した人である。」(P119)との記述があります。
私は、変化が激しく、予測が難しく、また変革を求められる環境下において、この有能なカウンセラーの視点が、より重要になっていると感じます。
社会情勢や組織の変化、働く人の変化について冷静かつ論理的に現状を分析し、認識した上で、人・組織への適切な支援を行い、前述した中長期的な問題へ取り組むことが重要だと考えます。その実現に向けて、お互いに切磋琢磨し、自ら成長し続けていくことを目指してまいりましょう。

これからキャリアコンサルタントを目指される方にメッセージをいただけますか?

キャリアコンサルタントとして成長し続けるために、私自身が日ごろから心掛けている3つのことがあります。
1つは、キャリアコンサルタントとして経験を重ねた後も、学び始めた頃の「初心」に返り、自分自身と向き合うことです。
2つ目は、常に「謙虚」に人の言葉に耳を傾け、振り返ることができる自分であり続けることです。
そして3つ目は、全ての人から「素直」に学び、思いやりをもって接することです。
このような「初心」、「謙虚」、「素直」の3つの心構えを大切にしながら、私自身も皆さまとともに学び続けていきたいと思います。

日本マンパワーは1999年からのべ4万人の受講者を輩出しました。今後の期待をお聞かせください。

養成団体には、質の高いキャリアコンサルタントを目指す方の養成はもちろんのこと、キャリアコンサルタントを取得したあとの拠り所となり、専門職としてのコミュニティ作りにも尽力していただけることを期待します。
専門職としての成長には、それぞれが学び続けることと共に、切磋琢磨する仲間や専門職集団としてのつながりが不可欠です。
また、キャリアコンサルタント取得者や実践を重ねられている方が、新たなキャリアコンサルタントになりたい方への支援をすることも意義深いのではないでしょうか。
これまでもこうした考え方や取り組みは行われていたかもしれませんが、キャリアコンサルタントが共に学び共に実践していくための役割や機能をさらに強めていただければと思います。
(2020/12)

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