活躍事例として、キャリアコンサルタント・CDAへインタビューした内容をご覧いただけます。
「いま、企業に求められるキャリア支援とは2026」人を大切にし、活かす。古河電工のキャリア形成支援と 厚生労働省の描くキャリアコンサルティングの未来(厚生労働省編)
Event Report

- 厚生労働省 平川雅浩様 氏
- 厚生労働省 人材開発統括官付参事官(若年者・キャリア形成支援担当)付キャリア形成支援室長
1994年労働省入省。職業訓練、外国人技能実習制度、障害者雇用、雇用関係助成金などの労働行政に係る政策立案・事業運営に主に従事。愛知労働局職業安定部長、厚生労働省人材開発統括官付訓練企画室長、鳥取労働局長などを経て現職。
キャリアコンサルティング、ジョブ・カード制度の普及促進等を通じた労働者の自発的な職業能力の開発・ 向上に関する施策を担当。
イベント骨子
労働市場の変化が加速し、働き方の多様化が進むなか、従業員一人ひとりのキャリア形成を支援する体制づくりが、企業にとって喫緊の課題となっています。人口減少による人手不足、DXやAIによる産業構造の変化、職業人生の長期化など、企業も従業員も新たな環境への対応を迫られる時代において、組織的なキャリア支援をどう実践していくべきなのか。そのヒントを探るべく、日本マンパワーでは2026年1月18日(土)にオンラインイベントを開催し、国と企業の第一線で活躍するお二方をお招きしました。
第1部では、厚生労働省 (キャリア形成支援室長)の平川雅浩様から、『企業におけるキャリア形成支援とキャリアコンサルタントの役割』というテーマで、職業能力開発促進法に基づく企業の責務、キャリアコンサルティングの実施状況、そして「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」について解説いただきました。
第2部では、古河電気工業株式会社キャリアサポート室・室長の加藤昭男様より、『人を大切にし、生かす古河電工のキャリア形成支援』として、2021年6月のキャリアサポート室設置から現在に至るまでの実践事例をご紹介いただいております。
1|なぜ今、キャリア形成支援が必要なのか──社会の変化と労働者のキャリア
まず「なぜ今キャリア形成支援が必要なのか」を整理してお話しします。 今、日本は大きな転換点にあります。人口はすでに減少局面に入り、2070年には総人口が9000万人を割り込むと言われています。高齢化率も上がり、労働供給は確実に制約されていきます。
こうした状況の中で企業が持続的に成長していくためには、従業員一人ひとりの生産性向上が欠かせません。
さらに、産業構造の変化やDX・AIの進展により、仕事の内容や求められるスキルは大きく変わっています。働き方や価値観も多様化し、職業人生は長期化しています。 私は「キャリアは一本道ではなく、さまざまな選択肢があり得ます」と考えています。だからこそ、労働者が自らキャリアを考え、選択し、学び続けることが求められています。
2|企業の能力開発の現状と、労働者の学びの実態
次に、企業の能力開発の現状についてお話しします。 日本企業の人材投資は国際的に見ても低く、Off-JTの研修費は対GDP比0.1%程度と、他の先進国と比べて低水準です。教育訓練費や自己啓発支援も横ばい、あるいは低下傾向にあります。

一方で、労働者側の学びの状況を見ると、「特に何も行っていない」と回答した割合が52.6%と、諸外国と比べても高い水準です。 企業側は「労働者から希望がない」と回答することが多いのですが、実際には「社内で費用負担なく利用できるなら相談したい」が31%、「社外でも利用したい」が25.1%と、約6割の労働者がキャリア相談を望んでいます。
このギャップは、企業の支援体制が十分に伝わっていない、あるいは利用しづらい環境にあることを示しています。 企業と労働者の双方がキャリア形成に取り組む必要があると考えています。
3|企業に求められる責務と、キャリアコンサルタントの役割
ここからは、企業に求められる取り組みについてお話しします。 職業能力開発促進法では、企業に対して以下の取り組みが求められています。
- 必要な職業訓練の実施
- 教育訓練機会の確保
- キャリアコンサルティング機会の確保
- 労働者の職業生活設計(キャリアプラン)に配慮した支援
- 事業内職業能力開発計画の策定
労働者の職業生活設計に配慮しつつ、段階的かつ体系的に行われることが基本理念です。 つまり、企業は一律の研修を提供するだけではなく、労働者一人ひとりのキャリアに寄り添った支援を行う必要があります。
キャリアコンサルティングは「職業の選択、職業生活設計、職業能力の開発及び向上に関する相談に応じ、助言・指導を行うこと」と定義されています。 企業内では、キャリア相談の多くを上司が担っている現状がありますが、キャリアコンサルタントを有効に活用することで、より専門的な支援が可能になります。
4|これからのキャリア支援に必要なこと──学び直し、相談体制、組織文化
最後に、これから企業がキャリア形成支援を進めるうえで重要なポイントをお伝えします。
「職場における学び・学び直し促進ガイドライン」では、
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経営戦略と学びの方向性の共有
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必要スキルの明確化
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自律的な学びの機会確保
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時間・費用面の支援
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学びの実践・評価
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現場リーダーの役割
など、企業が取り組むべき内容が整理されています。
労働者の自律的・主体的なキャリア形成は、企業の支援があってこそ実現できます。
キャリア支援は制度を整えるだけではなく、組織文化として根づかせることが重要です。

■ PDFでは、講演内容の詳細・図表・データを掲載
本記事は講演内容を圧縮したものです。 完全版PDFでは、以下のような内容をより詳しく確認できます。
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キャリアコンサルティング実施状況の詳細データ
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労働者の相談ニーズの分析
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ガイドラインの13のポイント
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法改正の背景と企業への影響
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厚労省の支援制度(ジョブ・カード、リスキリング支援)
キャリア支援の全体像を正確に把握したい方は、ぜひ完全版レポートをご覧ください。



