受講生に聞いてみました!
通学講座レビュー -1年間で実践に生かせる力が身につく「登録養成課程」

H・T さん [30代]

プロフィール

保有資格:中小企業診断士
業種・職種:サービス / 人材紹介、広告、コンサルティング
人材広告代理店を経営しながら、中小企業診断士の登録養成課程を修了し、経営コンサルタント業務を展開。
お客様にもっと適切な提案をしたかった
 私は、人材広告の代理店事業や有料職業紹介事業、採用・育成コンサルティングなどを行う会社を経営しています。現在7期目となります。
 中小企業診断士(以下「診断士」という)に興味を持ったのは、2011年頃です。当時、私は26~27歳で、求人広告メーカーで働いていました。担当業務は、中小企業のお客様に求人広告の掲載を営業することです。毎日のように担当地区のお客様、主に経営者や採用責任者を訪ね、「人材は足りていますか?」「どんな人材をお望みですか?」などの会話を交わしていました。
 そうした業務に携わっているうちに、自分の中にいくつかの疑問がわいてきました。
 「希望の人材を採用すると、この会社には何が生まれるのだろうか?」
 「採用された人のキャリアはどう形成されていくのだろうか?」
 「果たして、お客様が望むターゲットはその企業にとって適切なのだろうか?」
 「そもそもこの会社は将来どうなりたいのだろうか?」
 でも、当時の自分の仕事は求人広告の営業です。
ターゲットの適正化は提案できますが、経営に関わる部分には踏み込めません。私にそうした知識があるわけでもありません。それが非常にもどかしく感じ、経営に関するアドバイザーやコンサルタントについて調べました。そうして知ったのが、診断士です。診断士に求められる知識を身につければ、経営全般に関する適切な提案ができるのではないだろうか。そうした思いが、診断士をめざすきっかけになりました。
働きながら1年間で取得できる日本マンパワー1択
 試験に向けて本格的に勉強を始めたのは2020年です。
 1次試験対策は通信講座を受講しました。外回りの仕事がありましたので、移動中に勉強できるウェブ対応の講座を選びました。でも、初回受験は散々な結果で、2科目しか受かりませんでした。試験を甘く見すぎていたのだと思います。2回目に向けてはしっかりと準備をして、合格することができました。
 ところが、2次試験対策をまったくしていなかったため、その年の2次試験は不合格。翌年はしっかりと勉強したつもりでしたが少し点数が足りず、2回目も不合格になってしまいました。
 これで、もう一度1次試験から受けなければならなくなりました。でも、7科目を勉強し直すのは嫌でした。そこで、藁にもすがる思いで調べたところ、登録養成課程の存在を知ったのです。
 登録養成課程を実施している機関はいくつかありましたが、それぞれ受講要件が異なっていました。たとえば、平日の昼間に通学する半年コースや1年コース。あるいは、平日夜間と土日昼間に通学する1年コースや2年コースなどです。前者は働くことができないので、私にとっては後者しか考えられません。また、2年間もかけたくはなかったので、集中して取り組める1年コースが望ましいと思いました。
 その両方を満たしていたのが日本マンパワーです。平日夜間2回(主に火曜日・木曜日)と土曜日1日を使って働きながら1年間で修了できるのであれば、時間を融通することは可能です。そのため、ほかの実施機関は希望せず、日本マンパワー1択で受講を申し込みました。申し込み締め切りの間際でしたが、無事入講することができました。
理論と実践を結びつけてくれる授業
 授業は2023年3月から始まりました。同期のクラスメンバーは24人、多種多様な職種・立場の人が集まり、女性も2人いました。平均年齢は40代後半くらいでしょうか。
 年間カリキュラムの前半は、ケーススタディを含む理論のインプットを目的とした座学の講義が中心です。最も勉強になったのは、テキストの枠を超えたことまで講師の先生が丁寧に解説してくれることです。先生は皆さん現役の診断士ですので、事例を挙げながら、「この理論は実際にはこういうことだよ」「この会社でやっていることは、この理論に該当するんだよ」などと、理論と実践を結びつけてくれました。
 また、授業では毎回グループワークがあります。たとえば、「こういう状況の会社に対して、この観点から助言をするとすれば、どのように助言しますか?」などのテーマでディスカッションするのです。すると、職種や立場、得意分野が異なる仲間が集まっていますので、自分にない視点や発想の意見が聞くことができ、すごく勉強になりました。「そういう考え方もあるのか」などさまざまな発見があり、自分の引き出しを増やせたのではないかと思います。
実習経験も理論と結びつけられる
 7月からは、実践力に磨きをかける診断実習が始まります。毎回異なるメンバー8人が1グループになり、おおよそ2ヵ月に1回のペースで計5回。1回の実習期間は約3週間です。その間に、トップインタビューや現場での実地調査などを行い、グループメンバーとディスカッションしてコンサルティングの方向性を決めます。そして最終的には、プレゼンテーション用の診断報告書を作業分担して作成します。
 もちろん、実習でも多くの学びがありました。私は従来、人材に関する経営者の考えや思いはよく聞いてきましたが、経営全般についてはあまり経験がありませんでした。しかし、診断士実習では、経営全般について包括的にヒアリングする必要があります。その質問項目をグループで事前検討する際、「こう聞くといい」「こういう言い回しがベターだろう」「社長はおそらくこう思っているのではないか」など、メンバーがさまざまな観点で案を出します。それによって、より具体的に考えることができ、非常に勉強になりました。
 また、現場の従業員の方にもヒアリングをするのですが、そうした話は実習でないとなかなか聞けませんので、人材広告代理店業の仕事にも生かせそうです。
 最も良かった点は、実習だからこそチャレンジできるということです。診断士資格を取得してから失敗をしてしまったら、「うまくいきませんでした」では済まされません。でも、実習であれば、担当の先生が軌道修正やフォローアップをしてくださいますので、ある程度のチャレンジが可能なのです。私にとっては最大のメリットでした。
 なお、実習と実習の間にも座学の授業があります。自分たちの実習経験も理論と結びつけられるので、よりいっそう理解が深まったように思います。日本マンパワーの登録養成課程は、全体を通して実践的かつ体系的な学びができるカリキュラムだと思います。
登録養成課程での学びが大いに生きている
 そうして、2024年3月に登録養成課程を修了し、診断士の登録をしました。現在は、人材広告代理店の会社とは別に、経営コンサルティングの会社も設立し、両輪で事業を展開しています。採用に関するお客様とのお話の中で経営に関する話に展開すれば、コンサルティング業務も提案しています。現在、2社のお客様の診断を請け負っています。
 登録養成課程での学びは大いに生きています。学んだ期間は1年だけですが、その内容が非常に濃いので、身体に沁みついているようです。対象企業の状況や課題、対策を理論的に捉えることができますし、今後、提案書を作成する際にも、実習で学んだ作成方法や構成を活用することができます。こうした実践力は2次試験合格の道では得られなかっただろうと思います。
 また、「日本マンパワー修了生の会」でも勉強しています。これは、登録養成課程OB・OGによる自主組織で、修了生を“縦につなぐ”組織です。また、診断士協会にある研究会に入ってVE(Value Engineering:コストを抑えた状態で、サービス・製品の価値を高める手法)について学んでいます。こうしたつながりも大きなメリットです。
診断士になってから必ず役に立つ
 今、改めて振り返ってみると、日本マンパワーの登録養成課程の良さは4つに集約できると思います。
 まず、先生方が理論と実践を結びつけて授業をしてくれること。繰り返しになりますが、理論などの知識を企業現場と絡めてイメージできるように解説してくれますので、診断士になってからどう知識を生かしていけばいいかをイメージさせてくれます。これは、実際に診断士業務を請け負ってから身に染みて感じています。
 2つめは、心強い同期の仲間ができることです。1年間の半分近く会っていたので人となりをよく知っていて信頼関係も構築されているため、情報交換はもちろん、修了後もいろいろと相談に乗ってもらえます。実際に今、一緒に診断業務をしようとしている案件もあります。メンバーによって強みや視点が異なりますので、安心して分担することができます。
 3つめは、事務局のスタッフが手厚いサポートをしてくださることです。説明はいつもわかりやすいですし、ちょっとした困りごとにはすぐ対応してくれます。実習時にはスケジュール感覚も適切に指導してくれました。
 そして何より、学んだことをすぐに実践で生かせることです。

 今、もし登録養成課程の受講を考えている人がいらっしゃるなら、大いにお勧めします。費用・時間・ご家族の理解の問題さえクリアできれば、診断業務の実際と紐づく学びができ、信頼できる仲間も得られます。それらは、診断士になってから必ず役に立つと思います。

受講講座:中小企業診断士登録養成課程 17期生