ちょっと一息

アジア太平洋に拡がるCDAの国際活動(1)NEW

今年はベトナム、来年はインドで大会開催

[2019/12/20]

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 みなさんはご存じですか? 国際活動を行っているキャリアコンサルタントが、何人もいることを。もしかするとイメージがわかないかもしれませんが、アメリカはもちろん、アジアでもそうした活動が広がりつつあります。
 そこで本記事では、アジア太平洋キャリア開発協会(APCDA)という団体についてご紹介します。毎年1回、25の国・地域のどこかで大会が行われるのですが、そんなに堅苦しいものではなく、半分くらい観光のつもりで行っても得られるものがたくさんあるようですよ。
 実際に活動をされている浅賀桃子さんと大井芳暢さんにインタビューしました。一読の価値ありです。少しでも興味を持たれた方は、ぜひご参照ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
APCDA 理事
浅賀 桃子 さん
ベリテワークス株式会社 代表取締役
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)

APCDA 日本カントリーディレクター
大井 芳暢 さん
CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)


APCDAとは

――APCDAとはどのような団体なのか、まずは概要からお教えください。
浅賀 APCDAとはAsia Pacific Career Development Associationの略で、日本語ではアジア太平洋キャリア開発協会と言います。アジア太平洋地域のキャリアカウンセラー/キャリアコンサルタントなどの実務家が集まる団体で、2012年に設立されました。2019年12月1日現在、25の国・地域の人が入会しています。
大井 いわば、アジア太平洋地域でキャリア支援をしている人の集まりです。25の国・地域の人が集まっていると言うと、なんとなく敷居が高いように感じるかもしれませんが、まだ設立10年も経っていない歴史の浅い団体で、会員数も約250人しかいませんから、とても人間味があって、温かく柔軟な組織です。私はたった1回参加しただけで日本のカントリーディレクターになったほどですから。
浅賀 APCDAの目的は、各国・各地域におけるキャリア開発/支援の考えや経験をシェアしあい、キャリア開発の促進を図ることです。

――どのような活動をしているのでしょうか。
浅賀 活動の中心となるのは、年に1回行われる年次大会です。ほかには、ウェビナー(ウェブとセミナーを組み合わせた造語)と呼ばれるオンラインセミナーの実施や、毎月のニュースレターによる情報配信なども行っています。
 初めて開催された大会は2013年で、韓国・ソウルで行われました。以降、2014年アメリカ・ハワイ、2015年日本・東京、2016年台湾・台北、2017年フィリピン・マニラ、2018年中国・北京、2019年ベトナム・ホーチミンで開催されました。
大井 今後3年間の予定も決まっていて、2020年はインド、2021年はシンガポール、2022年はカザフスタンです。

――大会ではどのようなことが行われるのでしょうか。
浅賀 基調講演と複数の分科会が数日にわたって行われます。分科会はおおむね5つのジャンルに分かれ、それぞれのジャンルで何人も発表しますので、参加者はプログラムを見て自分の興味のある分科会の発表を聴くことになります。
大井 学会や展示会等に参加された方はイメージがつくかもしれません。分科会ごとに部屋が分かれていて、どこに入ってもいいのです。参加者が10人程度で発表者と参加者の距離が非常に近い分科会もあります。分科会のジャンルは次のようになります。
 ・General:全般
 ・College:大学生
 ・Adults:社会人
 ・K-12:6歳から18歳までの約12年間
 ・Labor Market:労働市場


分科会での発表テーマ

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――分科会ではどのような内容が発表されるのでしょうか。
大井 毎回、全体のテーマが決まっていて、それに関連する内容が発表されます。たとえば、2019年のテーマは「Navigating Career Development in the Age of Industry 4.0」(インダストリー4.0時代におけるキャリア開発のナビゲート)、2018年は「Connecting Career, Family, and Society」(キャリア・家族・社会のつながり)でした。
浅賀 ひと言で言えば、分科会は経験のシェアの場です。発表者は、自分が経験または研究してきたことを20分間または40分間で発表して、質疑応答などを行います。私もこれまでに何回か発表しました。
大井 私もインド大会で初めて発表します。

――国際的な舞台で発表とはすごいですね。
大井 いえいえ、自分の経験を自分なりに分析して考えたことを皆さんとシェアする場ですから、それほど特別なことではありません。それに、アジアのほかの国の人は日本のことを知りたがっているようです。
浅賀 日本は少子高齢化が進んでいる一方、女性の社会進出が進んでいません。晩婚やM字カーブなどの特徴もあります。こうした特徴は、私たちにとっては当たり前のように感じるかもしれませんが、他国の人から見るととても不思議だそうです。ですから、他国の参加者から「ぜひ発表してほしい」とリクエストされることもあります。先進国の日本に対して身近な憧れを感じている面もあるのかもしれません。
大井 それに、参加されている皆さんがキャリア開発やキャリア支援に関わる人ばかりですので、温かく受け入れてくださいます。日本の参加者も、初めて参加する人には優しくフォローアップしてくれるはずです。

――ご自身の発表内容を教えていただけますか。
浅賀 私がこれまでに発表したテーマは、「Mental Health Support and Work Life Balance of Workers」(労働者のメンタルヘルスサポートおよびワークライフバランス:2015年、東京)、「Possibility of career counseling combining "Personality Analysis" tools and the comic "Peanuts"」(個性分析ツールと漫画『Peanuts』を組み合わせたキャリアカウンセリングの可能性:2017年、マニラ)、「What is the "Integration of Mental Health Care and Career Support" Required of Business Companies?」(事業会社に必要な『メンタルヘルスケアとキャリアサポートの統合』とは何か:2018年、北京)です。『Peanuts』というのは、スヌーピーが登場する漫画の原題です。スヌーピーが大好きで、キャリアカウンセリングの中に取り入れているんです。
大井 私の発表テーマは「An Overview of Japanese Human Management System and Considerations for Career Intervention」(日本における人材マネジメント概要とキャリア介入の検討)です。
浅賀 私はインド大会では、「Career and Mental Health support for 'Employment Ice Age Generation'」(『就職氷河期世代』のキャリア・メンタルヘルス支援)についてお話しします。


大会参加で得られること

――大会に参加すると、どのようなことが得られるのでしょうか。
大井 私はホーチミン大会しか経験がありませんが、発表せずに参加するだけでも、分科会での学びはもちろん、ベトナムの街中の活気を肌で感じました。日本の方が圧倒的に先進国だと思っていましたが、あっという間に追い抜かれそうな危機感を抱きました。
浅賀 たしかに、現地に行かないと見えてこないものはたくさんあります。私はこれまですべての大会に参加していますが、毎回何らかの気づきがあります。大会での発表は英語ですが、たとえ英語が3分の1くらいしか理解できなくても、絶対に得られるものがあると断言できます。必ずしも、キャリアの資格を持っていなくてもいいと思います。
大井 大会の合間に観光も可能ですので、その点でも刺激を受けると思いますよ。
浅賀 安全・安心な環境で行くことができて、海外の人の意見を聴くことでさらに日本のことが見えてきますので、貴重な経験を得られるものと思います。

――大会に参加したい場合はどのように申し込めばいいのですか。
大井 APCDAのウェブサイトhttps://apcda.wildapricot.org)で「CONFERENCES」ページから申し込むことができます。現在会員でない方も、大会申し込みと同時に入会できます。

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★いかがでしょうか。何となくイメージをつかんでいただけたでしょうか。次回は、浅賀さんと大井さんの活動を含めて、さらに詳しくお伝えする予定です。
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