ちょっと一息

キャリアカウンセラーの資格活用 vol.39

育休中のママが資格学習をして大学で働くように

[2020/05/29]

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 小さい子どもを育てるのは本当にたいへんで、心身ともに多大なエネルギーを要することと思います。特にワンオペ育児をされている方は、自分の時間をつくるのも難しいかもしれません。
 本記事でご紹介する新保友恵さんも、ワンオペ育児をしていました。ただ、育児休暇中に自分を見つめ直し、『キャリアカウンセラー養成講座』(現在の「キャリアコンサルタント養成講座」の前身)の受講を決めます。しかも、資格を取得する前から大学のキャリア支援室で働き始め、今では複数の大学で教員を務めています。
 新保さんの姿勢・考え方・学び方・働き方はとても刺激的で、見習いたい部分がたくさんあります。そのキャリアストーリーと資格活用を複数回にわたってご紹介します。ぜひご一読ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 名古屋産業大学 現代ビジネス学部 特任講師
 和光大学 非常勤講師
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 新保 友恵 さん


「いいなあ」と思うと行動に移すことに躊躇しない

 私は元々、出版社で働いていました。大学新卒で入った会社では、法令関係の書籍の営業を担当。その後、別の出版社に2回転職し、結婚を機に退職しました。29歳の時です。
 結婚後に最初にしたことは、同時期に会社を退職した夫との世界一周旅行です。特に深い目的はなく、単純に「一緒に、世界を見て周りたいなあ」と思ったからです。「いいなあ」と思うと行動に移すことにあまり躊躇しない性格かもしれません。3か月半の旅行から帰国してからしばらくは料理学校に通い、その後、研修講師やイベント企画、カフェ経営などをフリーランスの立場で行っていました。
 そうした頃にウェブサイトで見つけたのが、あるITサービス会社の社長のインタビュー記事でした。出産をきっかけに起業した女性社長で、今までにない新しいビジネスを展開していました。その社長の魅力に惹かれ、求人募集していないにもかかわらず、「こちらで働かせていただけませんか」とお願いし、面接試験を経て採用いただきました。小さな会社だったので営業から広報、人事採用まで幅広く担当し、しばらくしてから営業マネジャーを任されました。


育児休暇中に養成講座受講を決心

 私がキャリア支援に興味を持ったのは、このITサービス会社での仕事がきっかけです。同社では、既卒未就職者のインターンを何人か受け入れていました。既卒未就職者とは、就職が決まらないまま学校を卒業した人のことで、未就職卒業者・学卒未就職者などとも呼ばれます。私は、営業マネジャーをしながら、彼・彼女らを育てる役割も担うことになりました。そこで、実際に接して仕事を教えると、みんな素質があって、きちんと仕事ができるようになるのです。本人たちは「就職活動はとてもたいへんだった。つらかった。」と口を揃えて言っていましたが、在学中に何かがうまくいかず、結果が出なかっただけのように感じました。ですから、「彼らが大学を出る前に何かしてあげられることがあれば・・」と常々思っていました。ただ、私自身は営業マネジャーの仕事で手一杯の状況でした。キャリア支援についてゆっくりと考える余裕もなく、2〜3年が過ぎていきました。
 その後、私はを授かり、育児休暇に入りました。休暇が明ければ、会社に戻るつもりでした。しかし、娘との時間をしっかりととるには、自宅から会社までの通勤が遠すぎると感じるようになりました。そこで、もっと近くで働ける場を探すことにしました。同時に、改めて「自分は何をしたいのか」を問い直しました。その時に思い浮かんだのが、インターンに来ていた既卒未就職の子たちです。
 「彼らのような人が大学を卒業する前に、私ができることはないだろうか」
 そう考え、まずは勉強をしようといろいろな資格について調べました。それで見つけたのが、日本マンパワーの『キャリアカウンセラー養成講座』です。就職活動支援に活かせそうなカリキュラムで、20代の時に学んだ心理カウンセラーともつながりがあるので、「勉強してみたい」と思い、受講を申し込みました。娘が小さいのでスクーリングに通うことには少し心配もしましたが、夫が協力してくれました。当時、平日は、私が、ほぼワンオペで娘を育てていましたので、週に1日、父と娘が2人で過ごすいい機会になったのではないでしょうか。


フラットに話せるCDA仲間とのつながり

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 養成講座のスクーリングはとても楽しい時間になりました。クラスメイトは人の話を聴こうとする人たちばかりで、ラポール(相手との良好な信頼関係)などカウンセリングの基礎も授業で学びますので、一緒に話をするのがとても楽しいのです。授業中の雰囲気も和気あいあいとしていて大好きでした。
 また、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の勉強を通して、クラスメイト以外の人とのつながりもできました。たとえば、スクーリングの事務局アシスタントを担当されていたホルダー(CDA資格取得者)さんに、100人以上で構成される自主勉強会を紹介されました。そこでの面接試験対策の学びを通して、多くの受講者やホルダーさんと出会うことができました。こうしたつながりは、CDA取得後もずっと続いています。20歳以上も年上の人や、業種・職種・立場がまったく異なる人とでも、上下関係なくフラットにお話や情報交換ができるのは、CDA特有の貴重なつながりだと思います。


大学キャリア支援室のキャリアカウンセラーに

 大学生の就職支援のお仕事を始めることができたのは、2014年の9月です。実はまだ、養成講座のスクーリングに通う前のことです。登録していた派遣会社に、自宅から自転車で通えるS大学のキャリア支援室の求人があり、キャリアカウンセラーとして働くことができました。週4日、11:00〜16:30の時短勤務という、子育て中の私にはありがたい条件でした。
 業務内容はキャリアカウンセリング、エントリーシートの添削指導、模擬面接の実施、キャリアガイダンスの講師などです。それまでの仕事上の経験から、必ずしも資格を持っていなくても対応可能な仕事でしたが、CDAを取得してからは従来以上に自信を持って学生に対応することができるようになりました。
 気がかりだった既卒未就職者のことについても、次第に状況が見えていきました。学生は、じっくりと話を聴けば本音を話してくれ、誰にもいいところがあり、何らかの素質があることがわかります。でも、自己PRを書いてもらうと、自分の良さが消えてしまい、紋切り型のようなことしか書けないのです。ですから、「それはどういうこと?」「どう思ったの?」などと、CDAで学んだ深掘りをして、自問してもらいました。そうすると、学生が「それいいね!」などと自ら気づき、理解して、変わっていきます。そうした成長していく姿を見るたびに、とてもうれしい気持ちになりました。

 こうしてS大学の仕事に慣れてくると、空いている時間にも働きたいという欲が出てきて、フリーランスとして別の仕事も受託するようになりました。

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★この後、新保友恵さんはとてもエネルギッシュに活動し、複数大学の仕事をかけもちするようになります。その姿勢と行動力は、きっとみなさんの参考になると思います。来月の当コーナーで続編をご紹介しますので、ぜひご覧ください。
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