イベントレポート

トップアスリートから職種の垣根を越えたプロのマインド・スキルを学ぶ トップアスリート研修体験会

株式会社日本マンパワーは、企業の抱える課題を一緒に考え、解決の糸口を探る場として毎年「HRフェス」を開催しています。2019年秋フェスでは、「キャリア自律」「リーダーシップ」というテーマでセミナーを開催しました。セミナーには、厳しい競争環境の中、アスリートとしての自分の価値を高め続け、また、多様なメンバーをまとめチームとしても成果を上げ続けた2人のアスリートをお迎えしました。本レポートは、イベントのトークセッションのポイントをまとめたものです。

パネリスト・ファシリテーター

北原 亘 氏
【パネリスト】 北原 亘 氏
元フットサル日本代表キャプテン、名古屋オーシャンズキャプテン
2006年の早稲田大卒業後、サッポロビール入社。2007年、日本初のフットサルチーム「名古屋オーシャンズ」に入り、自らキャプテンを志願。FIFAフットサルW杯に2回出場、プロ生活全てのシーズンでリーグ優勝という成績を残す。2016年の現役引退後は、アスリートのセカンドキャリア構築支援のため、スポーツ・ビジネス両方の世界に関わりたいとの思いから株式会社クリアソンでの活動をスタート。1982年生まれ、37歳。
岡本 達也 氏
【パネリスト】 井筒 陸也 氏
元関西学院大学サッカー部キャプテン、徳島ヴォルティス
関西学院大学サッカー部でキャプテンをつとめ、2015年に大学サッカー夏・冬の全国大会、関西選手権、関西学生サッカーリーグで優勝を果たし、大学サッカー史上初の4冠を達成。2016年、大学卒業後にJリーグの徳島ヴォルティスに加入、2016〜2018年の在籍中54試合に出場。2019年1月、徳島ヴォルティスからの契約更新オファーを断り、株式会社クリアソンに入社。1994年生まれ、25歳。
岡本 達也 氏
【ファシリテーター】 岡本 達也 氏
株式会社クリアソン
2005年、高校卒業後ジュビロ磐田に2年所属。その後、2007年に順天堂大学入学。大学卒業後はサッカーの世界に戻り、2011年からガイナーレ鳥取等に4年間在籍。
2015年の現役引退後、スポーツやアスリートが持つ価値(強み)を色々な分野で広められればとの思いから株式会社クリアソンに入社。トップアスリート研修を立ち上げる。1986年生まれ、33歳。

第1部

トークセッション〜テーマ:プロフェッショナル〜

劇的な変化は起きなくても、小さく少しずつ改善・成長していける

劇的な変化は起きなくても、小さく少しずつ改善・成長していける

岡本:井筒さんは、プロになって1年目は、Jリーグ42試合中1試合も、出場はおろかベンチ入りすらできなかったと聞きました。〜中略〜
 戦力外通告もあろうかという崖っぷちの状況から、どう自分を立て直していったのですか。

井筒:プロ1年目、チームに貢献できずサポーターの人に申し訳ないという気持ちと、「こんなはずじゃなかった、自分は何のために就職もせずサッカー選手になったのだろう」という思いでいっぱいでした。

〜中略〜

 ただ、仲良くしてくれた大ベテランの冨田 大介選手(当時39歳)は、試合のメンバー外になった日でも、午後、自主練をし、フェンスに向かってボールを蹴り続けていました。
 年齢を重ねても努力し続ける姿勢は本当にすごいなと思いました。彼は、劇的な変化は起きなくても、小さく少しずつ改善・成長していけると強く信じていたのだと思います。だからこそ、Jリーガーの引退年齢が平均25歳と言われる中、40歳まで活躍し続けることができたのだと思います。

 冨田さんの姿を見て、「自分も少しずつ努力をしたら変わっていくのではないか、急にメンバーに入れるかは分からないが、努力を続けていればメンバーに入れる可能性があるのではないか」と考え、努力するようにしました。コツコツと地道な練習を積み重ねていくしかないということをサッカーを通じて学びました。

※ 井筒選手は、その後、プロ2年目の2017年にはJリーグ全42試合中21試合、3年目の2018年は33試合に出場し、徳島ヴォルティスのレギュラー選手となるまでに躍進した。

<イベントレポートの一部要約>

厳しいプロの世界で生き残るには?→「毎日101%努力する」

岡本:では今度は、北原さんにお話を伺います。北原さんは、名古屋オーシャンズというフットサルチームで、9年間リーグ優勝を果たされました。何か、毎年モチベーションを高く保ち続けられた秘訣はありますか。

北原:自分なりに信念を持って取り組めたことに加え、毎日101%の努力を続けられたことが大きかったと思います。

1.01の法則

今日を基点に、毎日、昨日の自分を1%でも超え続けると、365日後に37倍に成長した自分に出会えるという楽天・三木谷社長が提唱する考え方

 正直、前日の練習が激しくて筋肉痛で、「今日は頑張れないから、明日200%頑張ればいいか」と思ってしまう日もありました。しかし、そういうムラを繰り返していると、調子のいい日と悪い日が出てきます。実際、「101%の努力」を習慣化する前は、調子の悪い日が大事な試合の日にあたってしまうことが何度かありました。「調子の差を減らすためにはどうしたらいいか」と悩みました。

 その時、「翌日200%がんばろうとしても無理だ。だったら、毎日の差が出ないよう、昨日の自分を何か1つだけでもいいから超え続けるようにしよう」と思ったのです。そして、パス1本だけでもいいから、昨日より多くとるようにしました。今ふりかえると、楽天の三木谷社長が言われている「1.01の法則」を自分も知らず知らず実践していたのかなと思います。

〜中略〜

 人間は1年365日同じコンディションではないので、この数式その通りにはいかないと思いますが、大事なことは、毎日、昨日の自分を何か1つでもいいから越える努力をすれば人は成長するということです。

<イベントレポートの一部要約>

第2部

トークセッション〜テーマ:リーダーシップ〜

理念とキャッシュのバランスを整える

岡本:個人としてだけではなく、成果を出し続ける“組織”をつくるために、何かリーダーシップの秘訣はありますか。

北原:個人としてもチームとしても、理念とキャッシュのバランスを整えることが重要だと考えます。「キャッシュ」ですが、現金という意味ではなく、理念を達成するための目標や、出した成果という意味で、当社ではよく使っています。

例)クリアソンの理念とキャッシュ

理念(実現したい価値)
スポーツの価値を通じて
真の豊かさを創造し続ける存在でありたい
キャッシュ(理念を達成するための目標・成果)
2019年 サッカー関東リーグ2部で優勝を果たす
2025年 世界一のサッカークラブになる!

 企業でも、ミッションやバリューといった「理念」と、営業目標・営業成績の「キャッシュ」の両方を大事にされていますよね。
 しかし、スポーツ界では残念ながら、理念とキャッシュが入れ替わってしまうことがよくあります。例えば、本当は「名古屋の人に勇気と感動を」という理念があるのに、「フットサルリーグ優勝」というキャッシュだけがクローズアップされてしまうのです。

<イベントレポートの一部要約>

理念をみんなで細かく定義する

岡本:井筒さんは大学サッカー部のキャプテンだった時、理念を意識したことはありますか。

井筒: はい。スポーツ界は、成果を出したら幸せみたいな風潮がありますが、私も北原さんと同じで、「理念」は大事だと思います。特に、みんなで理念を細かく定義していくプロセスが非常に重要だと感じています。

〜中略〜

理念をみんなで細かく定義する

 「150人の部員全員を幸せにできていない」と自分の至らなさに気づいた夏の大会後、部員みんなで「どういうチームをつくりたいのか」を議論しました。特に今年で引退する4年生には、悔いが残らぬよう「引退する時どういうチーム状態になっていたら満足できるのか」を問いかけました。
 また、部員一人ひとりと1on1MTGもしました。1on1MTGは、優勝という部全体の目標ではなく、各部員の目標が知れる貴重な機会だったと思います。各部員の背景を幹部で共有することで、施策の中に、強度と工夫が生まれました。施策の大きな方針は変わらずとも、「こういう想いを持っている彼のためには、こうするのがベターなんじゃないか?」と個人の目標に寄り添ったアレンジが加えられるようになったのです。

 その結果が出たのか、おかげさまで、冬の大会でも日本一になれました。また、冬の大会の優勝写真では、自分が願っていたように、部員みんなが喜んでいる写真が撮れました。

〜中略〜

岡本:北原さんの「理念とキャッシュのバランスを整えること」は、そのままビジネスの世界でも応用できそうですね。また、井筒さんの「メンバーみんなで理念を細かく定義していくこと」は、多様な価値観を持ったメンバーと協働していくことが多い現在のビジネス環境において、特に重要なことのように感じました。

<イベントレポートの一部要約>

日本マンパワー 金子より

 今日ご紹介したトップアスリート研修は、2018年6月よりクリアソン様と協力してご提供している新しいスタイルの研修です。この研修プログラムを取り入れた20代社員向け研修等に私も立会っておりますが、厳しい競争環境の中で自分の価値を高め続けてきたトップアスリートの持論・スタンスは、ビジネスの世界でも職種・業種を超えて通用すると強く感じています。

 トップアスリート研修は、単なる講演とは異なり、アスリート・ビジネス両方の経験をもとにトップアスリートの話をビジネスの話へ置き換えて解説するファシリテーター、アスリートの話を自分ごと化してもらうためのグループワーク等の仕掛けがあります。

 弊社では、企業様側の課題感やニーズに合わせ、トップアスリート研修・各種体感型研修をカスタマイズして全国でご提供しています。詳細は、営業担当までお気軽にお問い合わせください!

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