イベントレポート

全国キャリア開発シンポジウム2009春

〜社員のパフォーマンスを高め、強い組織へ変革する〜

Date:2009年6月8日〜19日

日本マンパワーでは、2009年6月、企業の人事・教育部門のご担当者様を対象に、「全国キャリア開発シンポジウム2009」を全国6カ所で開催し、216名の方にご参加いただきました。
今回のシンポジウムでは、「従業員へのキャリア開発支援」に焦点を当て、各会場でゲストをお招きして取り組み事例をご紹介するとともに、実際のキャリア開発研修をご体験いただきました。

以下にその内容を抜粋・要約してご紹介いたします。

開催スケジュールのご案内

仙台会場 東京会場 名古屋会場 広島会場 大阪会場 札幌会場
地区 実施日 ゲストテーマ ゲスト 会場
札 幌 6/19
(金)
キャリアデザインサポート室による社員のモチベーションアップ
島村 泰子様 株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ
キャリアデザインサポート室長
キャリアコンサルタント 島村 泰子様
北海道経済センタービル
仙 台 6/8
(月)
誇りとやりがいをもったプロが自律的に育つ会社を目指して
新井 重一様 ブラザー工業株式会社
人事部 キャリア開発グループ
チームマネジャー 新井 重一様
東芝仙台ビル
東 京 6/18
(木)
キャリア開発支援の取組み
〜組織変革活動・サポートシステム〜
忠津 剛光様 J.フロント リテイリング株式会社
業務本部 人事部
部長 人材育成・採用担当 忠津 剛光様
日本マンパワー本社
名古屋 6/10
(水)
キャリアデザインサポート室による社員のモチベーションアップ
島村 泰子様 株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ
キャリアデザインサポート室長
キャリアコンサルタント 島村 泰子様
名古屋ダイヤビル
大 阪 6/9
(火)
キャリア開発支援の取組み
〜組織変革活動・サポートシステム〜
忠津 剛光様 J.フロント リテイリング株式会社
業務本部 人事部
部長 人材育成・採用担当 忠津 剛光様
日本マンパワー大阪校
広 島 6/17
(水)
誇りとやりがいをもったプロが自律的に育つ会社を目指して
新井 重一様 ブラザー工業株式会社
人事部 キャリア開発グループ
チームマネジャー 新井 重一様
広島市まちづくり市民交流プラザ

6/10(水)名古屋会場 富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ様

島村泰子

島村 泰子 氏
  • (株)富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ
  • ビジネスマネジメント本部
  • キャリアデザインサポート室長

キャリアデザインサポート室による社員のモチベーションアップ支援 〜個人と組織との共生の関係をつくる支援〜

「キャリアデザインサポート室」の役割

当社ではキャリアデザイン制度の施行に伴い、2007年12月に「キャリアデザインサポート室」を設立しました。その活動方針は、「社員一人ひとりが“自分らしさ”を発見し、個性と能力を十分に発揮することができるライフキャリア形成=生涯・個人の人生とその生き方の表現を支援する」ことです。ただ、そうは言っても、生活、お金、家庭などすべてのライフには対応できません。そこで、(1)職業を通しての個人の生き方、働き甲斐をまで含めたキャリア形成を支援する、(2)社員一人ひとりがキャリアをマネジメント(自立・自律)できるように支援する、(3)個人と組織との共生の関係をつくる支援を行うことがキャリアデザインサポート室の役割だと考え、活動しています。

会場の風景

キャリア開発研修の実際

キャリア開発研修は、入社年度の節目(新人・6年目・10年目・20年目)と、50歳以上、幹部職員を対象にそれぞれ実施しています。そのほか、OJT担当者のための「トレーナー研修」や、40歳以上の社員を対象にした「マネープラン研修」、部下とキャリア面談をする幹部職を対象とした「キャリア面談研修」を行っています。また同時に、キャリアの節目ごとにフォロー面談を実施しています。

研修の内容は、入社年齢に応じて心理状態が変わりますから、その傾向に合わせています。なかでももっとも難しい時期だと感じるのが、入社10年目社員への研修です。主に32〜34歳くらいが対象となりますが、人によってはプライベートで結婚したり、子どもができたりということもあって、葛藤や不安を抱えています。また、仕事が非常に忙しくなってくる時期でもあり、表情にも疲れが出ています。その疲れた様子に研修前は不安を感じましたが、“組織と自分の目標に向けたキャリア開発”というテーマで日本マンパワーさんに研修をお願いしたところ、上手にゆっくりと社員のモチベーションを上げていただけました。最後にはみんなの表情も明るくなり、先生にはとても感謝しています。

会場の風景

50歳以上の幹部職のモチベーション維持も難しいと感じています。この時期は、役職離任後や定年後の自分のプランを描けないでいるという現実があります。定年後の不安を抱えている人も多いため、キャリアの再構築が必要になってきます。そこで、当社では50歳以上の幹部職に、まず年金や学資ローンなどお金の部分を考える「マネープラン研修」を行いました。そして、金銭的現実を踏まえたうえで「ライフ&キャリアプラン研修」を実施することで、より現実的な自分の将来設計を考えてもらうことができたと思います。

キャリア開発研修を外部にお願いする際、私が企業を選ぶ際ポイントは、(1)カリキュラムや使用するツールが当社にフィットするかどうか、(2)グループ討議なり、他者の意見を自分にフィードバックできる時間がどのくらい設けられているか、(3)どのような講師の方が研修を行ってくれるのか、の3点です。ですから研修前には必ず、講師の先生にお会いさせていただくようにしています。

続きは資料ダウンロードより入手できます

6/8(月)仙台会場 ブラザー工業様

新井重一

新井 重一 氏
  • ブラザー工業(株)
  • 人事部 キャリア開発グループ
  • チーム・マネジャー

誇りとやりがいをもったプロが自律的に育つ会社を目指して 〜個から組織、そしてグローバルに〜

人材育成施策と考え方

当社が考える自律型社員とは、「会社のビジョンを理解・共感し、変化をおそれず自ら行動に移し、結果を出す社員」です。こうした社員を育て、成果を生み出すためには、キャリアデザイン研修などで個人が持っている保有能力を高めてもらい、「行動評価」で動機づけを行うこと。そして、行動の先にある成果を評価する仕組みを作ることが大切です。そこで当社では、「職能資格」を中心としに、「評価」「育成」「人材活用」「処遇」の4点を組み合わせながら、人事施策全体で人を育てていくことを考えています。そして、「本人がめざすキャリアプラン」を軸としながら人材育成を行っています。

会場の風景

当社には、30代のいわゆる中間職が非常に少なく、40代後半社員が非常に多いという特徴があります。ですから今後は、この40代後半社員にいかに活躍していただきながら会社を伸ばしていくかが、重要なテーマとなってきます。そこで、2006年に上級職制度を見直し、マネジメント系の人材だけでなく、専門性を持つプロフェッショナルも上級職になれる処遇制度に改訂しました。ただし、専門性をもつプロと言っても資格の等級で処遇を決めるわけではありません。資格と仕事の大きさは必ずしもマッチしませんから、その時のポジションと「役割の大きさ」に応じて賞与が上がっていく仕組みにしています。

自分を見つめる『キャリアデザイン研修』

私たちは、「その人がやりたい仕事ができる状態にあり、その状態が会社の理念や目標に合っている状態を作ることがベストである」と考えています。そこで、それを実現するための施策として、10年1度、自分を見つめる機会として『キャリアデザイン研修』を取り入れています。
研修は入社時、30歳前後、40歳前後、50歳前後の時期に、強制的に受けていただく形にしています。研修では、自分でキャリア開発計画を立ててもらい、その計画を実行するための育成方法を自己選択してもらいます。そして、研修で「なりたい自分」を先に考えてもらい、その後、それを基に上司と面談で話し合いながら実際のキャリア開発計画を立てていく仕組みになっています。

会場の風景

キャリアデザイン研修の難しさは、スキル研修と異なり、目的や狙いが伝えにくいことです。キャリアデザイン研修の場合、“何をやらされるんだろう”と警戒心をもって来る人が多いのです。あるいは、人に自分のことを話さなければいけないというプレッシャーで、参加を躊躇する人もいます。それでも実際に研修に出てきてもらうと、みなさん元気になって帰っていかれます。
実際、仕事に追われていると、自分が何をしたいのかを改めて考える機会がありません。しかし、キャリアデザイン研修の場で自分自身を見直すことが、働くうえでのガソリンとなり、元気を取り戻すきっかけになっているようです。

続きは資料ダウンロードより入手できます

6/19(木)東京会場 J.フロント リテイリング様

忠津剛光

忠津 剛光 氏
  • J.フロント リテイリング株式会社
  • 業務本部
  • 人事部部長

キャリア開発支援における取り組みについて 〜「共に成長する」がキーワード〜

キャリア開発支援に取り組む背景

J.フロントリテイリング(以下、JFR)グループは、株式会社大丸と株式会社松坂屋ホールディングスの経営統合によって2007年に設立されました。ともに歴史の古い百貨店ですが、現在、百貨店業界の売上見通しは非常に厳しい状況にあります。しかも、統合してビジネスモデルが変わったわけではありません。ですから、今までの考え方を変え、「社員のキャリアを考えながら、本当に強い個人を作り、プロフェッショナルとして協働していこう」と考えています。

キャリア開発支援や人材育成を考える際、JFRでは「全体の仕組みの中のひとつ」として組み入れます。独立したものとして考えるわけではありません。
組織には、(1)仕事・業務、(2)組織・仕組み、(3)人・育成、(4)文化・風土という4つの要素があります。そして、経営改革をして組織の生産性を高めるためには、環境の変化に対して戦略を立て、この4要素を変革して成果につなげる必要があります。ですから、人が成長し、最大限の意欲・能力を発揮し、それを組織の力として統合できるような、「強い個人がチームで協働する」ことを目指して、キャリア開発支援に取り組んでいます。

会場の風景

JFRが考えるキャリア開発

私は人材育成担当として、育成のステップを3つに分けています。1つ目が、研修や教育によって知識や技術を身につける「能力開発」。2つ目が、OJTなどの現場教育によってノウハウやスキルを身につける「人材育成」。そして3つ目が、「キャリア開発」です。

キャリア開発をするためには、「人は生涯成長しつづける」という考えのもと、4つの領域に“広義の仕事”があり、そのすべての役割を遂行すべきであると考えています。4つの領域はワークライフインテグレーションと呼ばれ、「(会社の)仕事」「家庭」「社会」「個人」を指します。この4領域の“仕事”に対して正面から向き合うことで、強い個人が生まれます。
さらに、「成長とは自らの強みを伸ばすこと」だと考えます。自らの才能を強みに変え、強みを使って4領域で“仕事”をし、プロフェッショナルとして世の中のためになる。そうなるためには、節目をしっかりとデザインすることが大切です。

会場の風景

キャリア開発セミナーの活用・効果

キャリア開発支援の具体的な取り組みとしては、まずキャリア開発セミナーが挙げられます。本格的に始めたのは平成18年で、日本マンパワーさんと相談しながらプランを立てました。具体的には、27歳、34歳、44歳に節目面談を行い、その面談に向けて、30歳、40歳の社員を対象にキャリア開発セミナーを行っています。今までに延べ22回実施、550人が受講しました。
また、今年の9月からは50歳を対象としたセミナーも始める予定です。これも、日本マンパワーさんと一緒に、いいセミナーにするよう計画しています。

続きは資料ダウンロードより入手できます

この後、各地域とも、第2部 体験:キャリア開発研修 として、日本マンパワーマネジメントコンサルタントの長隆一・石川義二・土屋善隆により、キャリア開発支援の全体像の解説や、最新の研修ツールを活用した体験を行いました。実際のキャリア開発支援ツールに触れ、キャリア開発支援の考え方や方法の理解が深まり、大変ご好評いただきました。