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コラムVol.6『自己概念の成長』

Instructor's Column

知識スキル

山内 雅惠 氏

  • 山内 雅惠 氏
  • キャリアコンサルタント養成講座インストラクター [北海道]

大学卒業後、出版会社に就職し、営業、教務、人事教育、編集企画を担当。出産退職1年後、1990年教育関連会社に就職。14年間、カリキュラム開発及び指導。育児相談、研修講師、マネジメントの立場で人事教育、広報、企画を担当。2004年人材開発会社に入社。キャリアカウンセラー(2016年4月より国家資格キャリアコンサルタント)及び研修講師として従事。学生の進学、就職支援、社会人および民間企業のセミナー及びカウンセリングを実施。
キャリアコンサルタント養成講座を担当し、キャリアコンサルタントの育成に従事。2011年4月『モアユアセルフmore yourself』名で独立。引き続き上記業務を担当。また、東海大学札幌キャンパスにて非常勤講師としてキャリア科目を担当。

Instructor's Column とは

Instructor's Columnは、「キャリアってなんだろう」「養成講座でどんなことを学ぶんだろう」「でも、なんだか難しそう」といった方に、毎回あるテーマについて、キャリアコンサルタント養成講座の担当講師がわかりやすくご紹介するものです。

キーワードについて担当講師の経験を通して解説したり、キャリアに関する身近なテーマを理論を使って紹介したり、楽しんで読んでいただけるコラムです。

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【職業選択に影響を与えるものとは】

 前回のコラムで職業的自己概念の形成、発達をドナルド・E・スーパーの理論でご説明し、同時に「借り物の自己概念」という言葉をご紹介いたしました。借り物というのは、自分が進む道を『良い学校に行くことが正しい』『親は自分のことを一番わかっているので、親の言うことを聴いていたら間違いない』といった社会通念や周囲の期待や意見によって選択してきた状態、また自分の経験を意識していない状態であるともいえます。

 皆さんは今の職業もしくは進学など人生の転機や選択をする際、何を基準に意思決定されましたか?どのような経験や環境や人に影響を受けて選択されたのでしょうか?
 今回、過去に私が出会ったクライエントの事例を通して自己概念の揺らぎから成長に繋がった例をお伝えいたします。

【事例。横減仆性】

●相談者の背景

 彼女は大学で栄養学を学び管理栄養士の資格を取得しました。卒業後は、学校給食の管理栄養士として就職しました。2年間頑張って仕事をしていたのですが、人間関係や自分の仕事に対して自信が持てず、精神的に不安定になり辞めました。家族はそんな彼女を大切に扱い『しばらく家で静養したらいいよ。自分が働きたくなったら働いたらいいわよ』と言ってくれて5年間何もしないでいました。しかし、だんだん家にいても居心地が悪く、このままでは自分がだめになると来談されました。

●見えてきた「借り物の自己概念」

 28歳になる彼女の経験を丁寧に聴いていると『その大学に進んだのは、母が勧めたから』『その会社を選んだのは母が勧めたから』と「借り物の自己概念」が現れるのです。親やお姉さまの意見に『なんの疑問も持たなかった。自分のことを一番よく知っているのは母や姉だからそうなんだろうと思いました』と。彼女自身は『果たしてその助言は自分にとってしっくりくるのか?どうなのか?』と疑問を持たずに生きてきたのでしょう。
 しかし、彼女は親の勧めで就いた仕事を途中でやめてしまいました。間違いないと思って選んだ仕事をきちんと果たせない自分はダメな人間だと思い込んでしまったのです。
彼女のお母様もお姉さまも彼女のことを考えて、大切に想って助言されていたと思います。今まで親の言うとおりに進んできて何の問題もなかった人生が、就職したとたん『あなたはどう思うの?』『管理栄養士としてのあなたの意見が聞きたい』と言われるたびに、自分自身の考えを伝えることができず自己肯定感が下がっていったのです。自分自身がなにものなのか?揺らぎが起こったのです。それは仕方がないことかもしれません。なぜなら、自分で納得して決めてきた経験が足りなかったからです。

●自己概念の揺らぎから成長へ

 その後、自己理解を促進するアセスメントや小さなころの経験、興味や能力や気になる仕事などについて伺ったり、ジョブトレーニングとして実際に興味のある仕事に短期間体験したりなど視野を広げ経験を増やし、その経験についてどう感じたかを一緒に振り返ることで自分の想いや考えを豊かに語ってくれるようになりました。
 そしてある日、笑顔で来談され『買い物に行ってきたんです。そして気に入ったトレーナーとスニーカーを買ってきたんです』ととっても嬉しそうに話してくれました。
 私はよほど気に入ったものが買えたのだろうと『良かったわね。気に入ったものが見つかって』と言うと『はい!初めて自分一人で選んで自分一人で決めて買えました!』と話したのです。
 思わず私が『え?どういうこと?』と聞くと、『今まで洋服を買うときは、母や姉と一緒に行き、2人が選んでくれたものを買っていたの。でも、今日は一人でお店に行って買えたんです!』と。
 初めて自己決定できた。自分が納得する買い物ができたという自信が彼女の行動をどんどん変えました。その後、彼女は自分の選んできた求人に応募し正社員として就職していきました。

【彼女から学んだこと】

自己概念が成長すると「自分を含む世界を客観視できる」「視野が広がる、俯瞰的にとらえられる、変化する」そしてありたい自分に向かって「一歩」踏み出せるということを彼女から学びました。

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 皆さんはいかがでしょうか?自分が最初に就いた仕事についてどのように意思決定してきたか改めて考えてみませんか?
 次回は、自分で意思決定してきたけど「こんなはずではなかった」と転職をしたケースをお話しし、キャリア理論にも触れたいと思います。

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