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コラムVol.1『セルフ・キャリアドックとは(定義と目指すもの)』

Instructor's Column

知識スキル

田中 道博 氏

  • 田中 道博 氏
  • キャリアコンサルタント養成講座インストラクター [香川県]

大学卒業後、旅行会社に就職し営業畑を歩む。2001年人材サービス会社に転職し、生まれ育った大阪から香川県に移住。鳥がさえずり、田畑とため池に囲まれた田舎暮らしを楽しんでいる。2008年CDA資格を取得。キャリアカウンセリングの考え方をマネジメント実務に役立てるための独自メソッドを考案・検証し、2014年個人事業主として独立。その後2017年に「株式会社あしあとみらい研究所」を設立、代表取締役に就任する。主に企業領域におけるキャリア形成支援、人材育成支援、人事諸制度の設計及び運用支援に従事するほか、インストラクターとして国家資格キャリアコンサルタントの養成講座や更新講習等を担当している。

■はじめに

 皆様こんにちは。田中道博と申します。今回から7回にわたりコラムの連載を担当させていただきます。よろしくお願いいたします。

 テーマは「セルフ・キャリアドックの進め方」についてです。主に企業内でのキャリア形成に携わっている人事の方や、これからキャリアコンサルタントを目指そうと考えておられる方、すでにキャリアコンサルタントの資格をお持ちで企業領域での活躍を目指す方などに向けた内容にしていくつもりです。

 昨今企業内では「キャリア面談」や「1on1ミーティング」などが注目されています。また「メンター制度」を導入する企業も増えています。個性を活かしながら社員の成長を促し、自己の活躍像を明確にすることで生産性を上げていこうといったように、人材育成のあり方も変化しています。その流れに沿い、キャリアコンサルタントとしていかに役立っていくことができるか。または人事としてどのように取り組んでいけばいいのか。こういったことが7回を通したテーマです。コラムは以下のような筋立てで進めてまいります。

1.セルフ・キャリアドックとは?(定義と目指すもの)
2.なぜセルフ・キャリアドックが必要なのか(国や企業の状況)
3.セルフ・キャリアドックの進め方1(企業の課題と導入目的)
4.セルフ・キャリアドックの進め方2(組み立てかた、全体フローの紹介)
5.事例(セルフ・キャリアドックを導入された企業の例)
6.事例(セルフ・キャリアドックでの社員の気づきや成長の例)
7.まとめ(キャリアコンサルタントの使命と今後の展開)

■セルフ・キャリアドックについて

 さて、1回目は「セルフ・キャリアドックとは」という基本的なお話しです。最初に、厚生労働省のホームページに掲載されているセルフ・キャリアドックの定義を見てみましょう。

「セルフ・キャリアドックとは、キャリアコンサルティングとキャリア研修などを組み合わせて行う、従業員のキャリア形成を促進・支援することを目的とした総合的な取組み」とあります。従って、キャリアコンサルティングだけではなく、その他の手法(研修・ワークショップなど)を組み合わせた従業員の方のキャリア形成の促進・支援の取り組みであるということです。

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 では、「キャリア形成」とは何なのでしょうか。第7次職業能力開発基本計画にその記載があります。「労働者が、その職業能力を確認しつつ、自らの職業生活設計に即して、教育訓練を受け、企業を超えても、自らの職業生活設計に即して職業訓練や実務経験を積み重ね、実践的な職業能力を形成すること」だそうです。

 上記をもとに「セルフ・キャリアドック」とは何かを考えてみると、「企業内で、職業生活設計に沿った実践的職業能力を形成するためにキャリアコンサルティングや研修を受ける仕組み」といった感じでしょうか。

■セルフ・キャリアドックが目指すもの

 ここで考えておく必要があるのは、多様な角度から「キャリア形成」(実践的能力の向上)を捉える必要があるということです。「業務スキル」や「技術」「知識」などは実践的能力の一端に含まれると思いますが、ここではそれらにとどまらない「心の成長」について取り上げたいと思います。

 他者を受け入れる能力、柔軟性を発揮する能力、コミュニケーション力、対人感受性など、こういった「能力」(=コンピテンシー)の向上もキャリア形成の一要素であると言えます。それらは「スキル」や「技術」とは別の、人としてのあり方や思考の幅を広げること、視野を拡大すること、ネガティブな経験を受け入れる力など、いわゆる「人間力」という「能力」とも言え、これらを見逃してはならないと思います。

 つまり心理的成長という側面に注目していく必要があるということです。セルフ・キャリアドックにかかわるキャリアコンサルタントは、その企業の事業領域の専門家ではありません。また、従業員の方が日々行っている業務に精通しているわけではありません。従ってセルフ・キャリアドックにおいての「実践的能力の向上」とは、技術・知識面の能力向上よりむしろ、人間力の向上、心の成長を指すものであると言えます。

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 例えば企業の中で「評価面談」というものがあります。「〇〇はできている」「△△はもう少し」などと、何段階かの「評価」に関するフィードバックがあり、できるようになるためにはどうしたらいいかについて上司からの助言をもらう。そんな場だとします。その評価面談とセルフ・キャリアドックにおけるキャリアコンサルティングはどう違うのでしょうか。これは少し極端な言い方ですが、
 1.業務上のスキルをメインに取り扱い、その能力向上にかかわるか
 2.心の成長を中心とした人間力向上にかかわるか
そのような違いがあるのではないかと思います。
 セルフ・キャリアドックが目指すものは、まさに「2」の「人としての成長」であり、技能的に「〇〇ができるようになる」にとどまらないものです。人生をより良く生きるための支援。それがキャリアコンサルティングやセルフ・キャリアドックが目指すものと言えます。

■キャリアコンサルタントの専門性

 そこで必要なのがキャリアコンサルタントの専門性です。もちろん評価面談の上司も心の成長を考えていないわけではないと思います。しかしながら、人の心の機能を理解し意図をもって問いかけることであったり、本音で話せる場をつくることであったりといった点で大きな違いがあります。

 評価面談は重要ですが、それとは別の機会としてキャリアコンサルティングを含むセルフ・キャリアドックの重要性がクローズアップされるようになってきているのです。もちろんこの変化には背景があります。このテーマについては、次回「なぜセルフ・キャリアドックが必要なのか」で取り上げたいと思います。

今回は以上です。いかがでしたでしょうか。最後までお読みいただきありがとうございました。

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