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2017年度 中小企業診断士1次試験情報

試験情報2017/08/09

日本マンパワーによる講評です。今後の学習などにお役立てください。

2017 年度中小企業診断士第1 次試験の総括

■総括

一部科目を除き原点回帰(各科目における基本の理解を重視)の傾向が見られ、いくつかの科目で難易度が低下した。多くの科目において、当該分野の基本事項を再確認させるような骨太な出題が多かったことから、次年度受験者は、広く浅く周辺知識を網羅するような学習に走るのではなく、各科目の基本事項を完全に自分のものとするような学習を心掛けるべきであろう。

■各科目の概要

【経済学・経済政策】

2016 年度に難易度が低下した同科目は大きな揺り戻しもなく、本年度は平均的な難易度となった。基本的な学習を怠らなかった受験者は70点程度をとることができたものと思われる。分野別に見ると、マクロから13 設問、ミクロから12 設問となっており、マクロ分野で見られる時事問題等の難易度もそう高くなかったため、基本となる用語・理論の学習を地道に行った受験者にとっては対応しやすい内容であった。なおこの科目特有のグラフの読み取りを必要とする設問については日ごろから慣れておく必要があろう。


【財務・会計】

同科目は近年難易度が低下していたが、本年度はさらに難易度が低下した。分野別設問数で見ると、ここ数年に比べて会計(アカウンティング)分野の出題が増え、財務(ファイナンス)分野の出題が減少した。両分野ともごく一部の問題を除き、基本的な学習で対応可能であり、7割以上の得点が望める出題内容であった。両分野とも、ほとんどの設問で基本事項を問うており、さらにいわゆる「ひねり」もそう多くないことから、次年度受験者は基本事項を着実に理解していくような学習を進めてほしい。


【企業経営理論】

分野別設問数等は概ね例年通りで、難易度的にも大きな変化はなかった。全体に奇をてらった出題が少なかった上、選択肢そのものの長文化傾向にも歯止めがかかったため、地道に学習してきた受験者は7割程度得点することができたと思われる。戦略論、組織論、マーケティング論の各分野のうち、戦略論の分野で素直な問題が多かったのが今年度の特徴と言えよう。一方、組織論では労働法規に関するベーシックな出題で意外と難易度が高く、マーケティング論でも例年に比べてやや難易度の高い出題が見られた。


【運営管理】

総設問数は、昨年度同様45問、分野別で見ても、生産管理と店舗・販売管理がほぼ均衡しており、この傾向もほぼ不変である。また分野の枠を超えた出題も見られた。同科目は昨年度難易度が上昇したが、本年度も引き続き難易度が高まった。両分野とも新しいテーマ・キーワードが取り上げられ、一見時間がかかりそうな計算問題も見られるため、過去問等に基づく基本的な学習のみでは60点が精いっぱいであろう。余裕を持って合格するには、ある程度同科目に関する新しい情報等にアンテナを張っておく必要がある。


【経営法務】

出題数が昨年の20 問から25 問となり、1問当たりの配点が4点となった。出題形式の特
徴としては、中小企業診断士と代表取締役との会話を事例形式で問う問題が多く、より実務を意識した出題となっていた。難易度は平均的なものであり、基本テキストと過去問題をしっかりと学習していれば、科目合格の基準は得点できる内容であった。分野別に見ると、会社法から6問、知的財産法関連から6問、民法から4問(事業承継・遺留分を含む)等となっており、過去に出題実績のある法令からの問題が多かった。


【経営情報システム】

平成27年度・28年度と、2年間非常に難易度が高い(難問・奇問)出題が続いたが、今年
の出題は従来から問われている内容(DBやSQL、表計算ソフト、ネットワーク構築、ソフトウエアの開発、パソコンの仕組み 等々)を深めつつ、最新技術や取組みなど(IoTやスマートフォン・タブレット端末、生体認証技術 等々)を加えた出題となっていて、しっかりと「経営情報システム」の受験学習をしていれば、科目合格レベルの点数を稼ぐことは可能であろう。


【中小企業経営・政策】

分野別構成比は例年通りであったが、各分野で例年とは異なる傾向が見られ、難易度はやや上昇した。とは言え、中小企業経営で7割、中小企業政策では9割程度が正答可能な問題であった。中小企業経営分野では2016 年版中小企業白書および小規模企業白書からの出題が大半であったが、特に統計と業種別比較に関する出題が増加した。中小企業政策については、通常の施策に加えて、国が作成した各種「ガイドライン」の理解を問う設問が増えた点が本年度の特徴であると言えよう。

日本マンパワー講師 播野 晋介