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2018年度 中小企業診断士第1次試験の総括

試験情報2018/08/14

日本マンパワーによる講評です。今後の学習などにお役立てください。

2018年度 中小企業診断士第1次試験の総括

■総括

科目間の難度のバラツキが押さえられ、いくつかの科目で難度が調整された。多くの科目において、当該分野の基本事項を再確認させながらも、最近のトレンドを追うような出題も見られた。またやや細かく見ていくと、取り上げられる分野についてそのウェイトが経営環境の変化に伴い変化している。次年度受験者は、各科目の基本事項を完全に自分のものとした上で、比較的新しい理論・概念・用語等についてもアンテナを張っておくようにしたい。

■各科目の概要

【経済学・経済政策】
本年度は例年に比べて難度が低下した。基本的な学習を怠らなかった受験者は70点以上得点することができたものと思われる。分野別に見ると、マクロから12設問、ミクロから13設問となっている。マクロ分野で見られる時事問題等の難度はそう高くなく、対応可能なものであった。ミクロ分野においてもやや難解な出題等が見られたが、多くは基本となる用語・理論の学習で対応できるものであった。なお、この科目特有のグラフの読み取りを必要とする設問については日ごろから慣れておく必要があろう。

【財務・会計】
同科目は近年難度が低下し前年度は最も易度が高まっていた。本年度はその傾向に歯止めがかかり、難度が高まった。分野別設問数で見ると、会計(アカウンティング)分野と財務(ファイナンス)分野の設問数がほぼ同等となり、特に財務(ファイナンス)分野で、目新しい用語等について問われるなど難度の高い設問が見られた。ただし、基本的な学習を確実にこなしてきた受験者にとって6割程度正答することは可能であった。今後も基本知識の習得と計算問題演習の積み重ねが重要となろう。

【企業経営理論】
分野別設問数や配点等は概ね例年通りであったが、難度はやや高まった。戦略論分野では、相変わらず意味を正しく把握することが難しい選択肢が多く、時間がかかる問題が少なからず見られた。組織論やマーケティング論分野においては、これまであまりなじみのない用語等が用いられる設問が少なくなかった。地道に学習してきた受験者は6割程度得点可能であったと思われるが、今後は各分野の基礎的知識習得に加え、新聞(電子版を含む)や専門雑誌などを読み、新しい理論や用語等についても常にアンテナを張っておく必要があろう。

【運営管理】
総設問数は、昨年度から1問減少し44問となった。分野別で見ると、生産管理と店舗・販売管理が22設問ずつと例年同様均衡している。同科目は近年難度が急激に上昇していたが、本年度は難度が低下した。両分野とも耳慣れない専門用語などに関する設問が見られたものの、こうした出題はごく一部であり、基本的な学習で7割程度得点することが可能である。一部に出題形式に工夫を凝らし、計算等その場で対応することが必要な設問もあったが、落ち着いて考えれば正答可能であった。

【経営法務】
前年度同様25設問、1問当たりの配点が4点であった。分野別に見ると、知財関連9設問、会社法関連8設問、その他8設問となっている。いずれの分野においても応用問題が多く、難度は高い。会社法と知財関連の基本問題を確実に正答することで50点程度をとることはできるものの、一定程度応用問題に対応していかないと合格点をとることは難しい。基本知識について、その背景や意義を含めてしっかり押さえた上で、迷ったときには法令の立法主旨などを理解しておくと、解答に結び付けやすい。また、経営に関する新しい法律のトレンド等についてもアンテナを張っておきたい。

【経営情報システム】
難度が高かった平成27年度・28年度から平成29年度に易化した本科目は、本年度も比較的難度が低かった。一部に耳馴染みのない用語等も出題されたが、枝問がないなど、出題のされ方が素直で、当該科目の受験学習を地道に行ってきた受験者にとっては科目合格レベルの点数を稼ぐことは可能であったと思われる。本試験では特定分野に偏ることなく、当該科目の全体からバランス良く出題されているため、当該科目の全分野について、基本用語等を確実に押さえるような学習をしていくべきであろう。

【中小企業経営・政策】
分野別構成比は例年通りであったが、中小企業経営分野での難度が高く、全体として難度がやや上昇した。とは言え、中小企業経営で6割、中小企業政策では8割程度が基本学習で正答可能な問題であった。中小企業経営分野では2017年版中小企業白書からの出題が大半であったが、特に統計等に基づく数値傾向を問う設問が多く、対応しづらい出題も少なくなかった。中小企業政策については、取り上げられた施策の大半は過去問を踏襲しており、一部切り口にひねりが見られたものの当該分野の難度は高くなかった。

日本マンパワー講師 播野 晋介