ちょっと一息

今につながる「私の転機」 vol.12NEW

CDA受講、転職、結婚、出産・・フリーランスに

[2018/10/31]

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 学生の頃からキャビンアテンダントになるのが夢だった永井由美さん。でも現実は厳しく、新卒で就職したのは第二志望の接客業。始発で出社して終電で帰る毎日に、将来への不安がよぎってきました。
 そこで、得意な英語と好きな接客の両方を満たすことのできる、英会話スクールを展開する会社に転職。入社1年後には「トークの達人」として社内表彰を受けるほどになりました。
 しかし、どうしてもCAになる夢を捨てきれません。「最後のチャンス」と決意し、辞表を提出した上で、航空会社の最終面接に臨みました。ただ、残念ながら不合格。すでに辞表を出しているため、降格か退職を覚悟していたところ、逆にポストが上がり、大規模校のマネジャーになることに・・。

 本記事は、そんなキャリアを歩んできた永井さんのストーリー第2弾。尊敬している大学の先生から「あなた、もっと勉強しなきゃだめよ」とアドバイスされたことが、大きな転機となります。そして、転職、資格取得、大学編入、結婚、出産を経て、フリーランスのキャリアカウンセラーに。
 その過程には、子育てと仕事の間で揺れ動く永井さんの姿、子育てに悩み苦しむお母さんたちの姿が映し出されています。ぜひご一読ください。

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●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社LINK 代表取締役
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 永井 由美 さん


『キャリアカウンセラー養成講座』を受講

 英会話スクールを展開するA社で、マネジャーとしてのやりがいを感じながら働いていた私は、契約更新に向けてお客様とお話ししているうちに、キャリアや人生の悩みを聞くようになりました。もちろん、仕事としては契約書にサインしてもらったら終わりです。でも、「途中まで聞いてしまった悩みを放置してしまうのは無責任ではないか」と、今度は私が思い悩み、大学時代にお世話になった先生に相談しました。
 そうしたら先生は、「あなた、もっと勉強しなきゃだめよ。キャリアカウンセリングという分野があるから、それを勉強してみたら」と言います。尊敬していた先生からそうアドバイスされた私は、「先生が薦めるのだから間違いない」と勉強する意思を固めました。
 そして、いくつかの説明会に出向いて最終的に選んだのが、日本マンパワーの『キャリアカウンセラー養成講座』(現在の『キャリアコンサルタント養成講座』の前身)です。この講座を受講して、CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)資格を目指すことにしました。


CDAの勉強で自分の世界が広がった

 養成講座を受講することは、会社にも報告しました。週末も営業しているA社にとっては勤務ローテーションに制約が生じるため、あまり歓迎されないかなと思っていましたが、上司は逆に「いい取り組みだから大いにやりなさい」と応援してくれました。そのおかげで休むことなくスクーリングに出席することができました。
 一方、CDAの勉強は非常に興味深く、人生のプラスになることを実感できました。たとえば、
 自分の心との向き合い方を学べる。
 何かに行き詰まった時に、どちらの道を選ぶかの手がかりをつかめる。
 物事を肯定的に捉えられるようになる。
 予期せぬ出来事に出くわしても、前向きに捉えられるようになる。
 自分のことも他者のことも多面的に捉えられるので、自分を大事にするとともに、相手をリスペクトできるようになる。
 そして何より、利害関係のない場所で、自分をさらけ出して付き合える新しい仲間ができました。年齢や性別、立場などの垣根を越えた仲間との出会いによって、自分の世界が広がりました。


自分を成長させてくれた人材教育を仕事に

 CDAの学びは、私の生き方や考え方に影響を与えていきました。そして、私の関心がCDAに傾いていくと同時に、その学びの場を提供する日本マンパワーにも興味がわきました。インターネットで事業内容を調べてみると、『キャリアカウンセラー養成講座』だけでなく、企業の人材教育キャリア開発なども手掛けていることがわかりました。私は会社の教育で社会人として成長させていただいたので、その有難さは身をもって知っています。
 「給料をもらいながら教育してくれる有難さを実感できれば、みんなの働き方が変わるんじゃないか。その人材教育を事業としている日本マンパワーに入社すれば、今よりも面白い仕事ができるんじゃないか。『キャリアカウンセラー養成講座』の担当者もみんないい人だし」
 そう考えていた矢先、日本マンパワーがCDAの人材募集をしていることを発見。A社に「新しい分野、新しいステージでやりたい」と退職を願い出た上で応募したところ、無事採用されました。ほどなくしてCDA試験にも合格しました。


仕事もプライベートも大きく変化

 日本マンパワーに入社したのは28歳の時です。忘れもしない入社初日。出社すると、同じフロアに日本キャリア開発協会(JCDA)の現会長や現理事長など、CDA界の著名人がいました。驚くと同時に、「いろいろ学べるといいなあ」と期待に胸を膨らませます。
 ところが、会議などに出席すると心理学の専門用語が飛び交い、学び以前の問題として単語すら理解できません。そこで、先輩やインストラクターの先生に相談し、大学の通信教育で3年次編入して心理学を学ぶことにしました。
 また、プライベートでは入社直前に結婚をしました。仕事もプライベートもいい意味で大きく変化し、非常に充実した日々を送れた時期です。ライフラインチャート)の満足度も上がっていきました。
(注釈)
縦軸に満足度・充実度、横軸に過去の年齢(時間軸)をとって、自己の内面を探求する曲線のこと。


                    今までのキャリアがゼロになる不安

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 しかし、ライフラインチャートはその後、停滞期に入ります。第1子を妊娠、出産したことで、生活を大きく変えざるを得なくなったからです。もちろん、子どもを授かったこと自体はとてもうれしいことでした。ただ、セミナーの企画を任せてもらうなど、仕事へのやりがいがどんどん大きくなっていた頃だったので、仕事を続けたい気持ちも大きかったのです。
 仕事を続けたい。でも、働きながら出産・子育てをするのは物理的に難しい。だけど、「仕事から離れてしまったら、今までのキャリアがゼロになってしまう」、そんな不安も頭をもたげてきます。自分ががんばれば解決するという問題でもありません。それらの狭間で心のもやもやを抱えつつ、日本マンパワーを泣く泣く退職しました。
 出産したあと、うつうつと考える日がありました。無意識のうちに涙がこぼれることが何度もありました。今思い起こすと、おそらく産後うつの状態でもあったのだろうと思います。
 ただ、恩師の先生や知人の紹介で大学などから就職ガイダンスやキャリア授業の講師として呼ばれるようになっていたため、フリーランスのキャリアカウンセラーとして活動することができました。幸い、CDAの学びで知り合ったつながりで仕事の融通も利きましたので、子育てに専念しつつ、必要最低限の仕事だけフリーランスとして活動しました。


キャリアカウンセリングセミナーの講師

 第1子出産の2年後には、第2子を出産します。停滞期はその後も続きますが、少し前進することもありました。
 まず、大学を卒業できたことです。在学中に2度の出産がありましたのでスクーリングに出席するのが難しく、通常2年で終わるところを4年間かかってしまいました。そのおかげで先生に顔と名前を憶えていただきました。先生が理事長をされている心理学会へ4年間のご縁で学会員にもさせていただきました。何が幸いするかわかりません。
 また、横浜市に住んでいる大学のゼミの同級生から、「子育て中のお母さん向けに、キャリアカウンセリングセミナーの講師をしてほしい」との依頼がありました。同級生が、区の公募した子育て支援組織のメンバーに選ばれ、お母さんを対象とする講座を企画していたのです。講座では、ワークや対話などを通して、ご自身の価値観を客観的に見つめてもらい、これからどうしていきたいかを考えてもらいました。
 この経験は、私にとってひとつの契機になりました。
 なぜかというと、子育て中のお母さんとキャリアについて真剣に話す機会になったからです。また、多くのお母さんたちが、子育ての相談をする機会がなく、悩み、苦しんでいることがわかりました。


悩み、苦しむお母さんたちの声に

 特に、乳幼児を持つお母さんの悩み・苦しみは切実です。リアルな生の悩みをいくつも聞かせていただきました。
 「子育てに煮詰まったときに気軽に行ける場所がほしい。誰かに話を聞いてほしい」
 「一人で子どもと出かけると、抱っこ紐をしたままでお手洗いに行くのが大変」
 「上の子の幼稚園、学校行事、PTAの会議のときに預けたい」
 「美容室や病院に行きたいとき、実家が遠くて気軽に子どもを預けられない」
 「子連れ歓迎!とありながら全然そうではないお店がある」
 「たまには一人になりたいけれど、子どもと離れるとどうしてるかな?と気になってしまう自分がいて、心の底から楽しめていない」

 1人で悩みながら、SNSを見てさらに追い詰められるお母さんも少なくありません。SNSには“素敵に飾られた子育てシーン”ばかりが投稿されますので、「なぜ自分は同じようにできないのだろう。私はダメなお母さんなんだ」と思い込みやすいのです。
 「仕事をしたいけれど、子どもが小さいのでできない」「私のキャリアはどうなるのだろうか?」と、私と同じジレンマもやもやを抱えている人も少なからずいました。

 でも、お母さんたちはみんな本当にがんばっているのです。がんばっているからこそ悩み、苦しんでいるのです。
 「こんなお母さんたちを誰が支援しているのだろう? 支援できていないのではないだろうか? どうにかならないものだろうか?」
 そんな思いを抱きながらも、私は2人の子どもを育てるのに精一杯でした。

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永井由美さんのライフラインチャート(22〜34歳)

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★キャリアカウンセリングセミナーをきっかけに、子育て中のお母さんのリアルな悩みや苦しみを多く知らされた永井由美さん。「どうにかならないものだろうか?」との思いは、その後ある行動に結びつきます。本記事の続きは来月の当コーナーでご紹介いたします。
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