ちょっと一息

キャリアカウンセラーの資格活用 vol.25NEW

キャリアカウンセリングだけじゃない、CDAの活かし方

[2017/07/28]

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キャリアカウンセラーは、「その人にとって望ましいキャリアを形成するため、その人らしい意思決定ができるように支援する、キャリア形成の専門家」です。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)はその実務者向けの資格で、1万人を超える有資格者がさまざまなフィールドで活躍しています。

 当シリーズで過去2回にわたってご紹介してきた本多祐子さんも、その1人です。本記事は、本多さんの資格活用の最終話となります。
 「私は対人支援の仕事をしているわけではありません」という一方で、「仕事・プライベートにかかわらず、人とのかかわりの中でCDA学習が役に立たない場はない」と断言する本多さん。果たして、CDA資格をどのように活用しているのでしょうか?
 ネットワークを最大限に活かした活動や、芋づる式につながる学びの足跡をうかがうと、なんだか元気が出てきます。資格を持っている人も持っていない人も、ぜひご一読ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 全日本空輸株式会社勤務
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 日本キャリア開発協会 関東支部
 東東京地区役員 ウェルカムトレーニング担当
 本多 祐子 さん


初めて参加した懇親会で2つの誘い

 私がCDAに合格したのは、旧制度の第40回試験です。資格認定証が交付されてしばらくした時、日本キャリア開発協会の支部・地区から「ウェルカムトレーニング」というイベントの案内が来ました。新たに資格取得した人を主な対象とする、勉強と交流の場です。
 私の場合、クラスメイトがすでに合格していたので、一緒に参加する知人はいませんでしたが、思い切って参加しました。そうしたら、懇親会で貴重な出会いがあり、その場で興味深いお誘いを受けました。
 「今度、受験生のロールプレイングの練習をお手伝いする勉強会を行いますので、もし良かったら手伝ってくれませんか?」
 「合格した人たちが集まる会がありますので、もし良かったら来ませんか?」
 元来、好奇心が旺盛な性格なので、「面白そうだ」と思って両方の誘いに乗りました。

 前者の「ロールプレイングの勉強会」というのは、誘ってくれた人の知り合いを中心とする勉強会で、立ち上げたばかりの会でした。私たち有資格者は、クライエント役を務めたり試験官役を務めたりして、受験生の試験対策のお手伝いをしました。この会その後の試験にも継承されていき、旧制度最後の試験となった49回までには100人を超えるほどの規模に発展。たった一度の出会いから多くの人と知り合うことができ、素敵な場となりました。


私のスイッチが入ったターニングポイント

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 ウェルカムトレーニングで誘われたもう一つ、「合格した人たちが集まる会」への出席者は数名でした。ほとんど初対面の人ばかりでしたから、自己紹介だけで終わったような記憶があります。ただ、出席者の中に日本キャリア開発協会の研究会に参加している方がいました。研究会というのは、CDAの有志が自主的に研究する集まりで、テーマごとにいくつかに分かれています。現在はA〜Nの14テーマがあり、さらにテーマ内で2〜3のグループに分かれている研究会もあります。私は、「高校生のための就職支援」をきっかけにCDAを取りましたので、「学校教育におけるキャリアカウンセリングの活用」をテーマとするE2研究会に入りました。
 このE2研究会に参加したことが、ひとつのターニングポイントになりました。初参加の時、ある先輩CDAから「みなさん、何かを教えてもらおうと口を開けて待っているのではなく、自らが積極的・主体的に参加をして、この場をつくってください」というお話があったのです。
 「何かを教えてもらおうと口を開けて待っている」
 まさに、私のことでした。「どんな新しいことを教えてくれるのかなあ、楽しみだなあ」という気分が吹っ飛びました。同時に、CDA活動に対する私のスイッチが入りました。勉強会に行くからには、先輩/後輩に関係なくその場を構成する一員だと考えて、「何をやりたいのか」「何ができるのか」をきちんと意識して言動すべきだと考えるようになったのです。


新たな集まり、出会い、さらに新たな活動

 また、ちょうどその頃、「東京O’CDA」というボランティア団体にも入りました。キャリアカウンセリングの考え方をベースに、さまざまな人のキャリア選択や開発をお手伝いする有志の集まりです。
 そこで出会ったのが、「認定NPO法人キーパーソン21」の理事をしている方です。小学生・中学生・高校生のキャリア教育を支援するNPOで、子どもたちがさまざまな大人とかかわることで、「自分を知る」「社会を知る」「自立する」力を身につけていくプログラムを実施しています。具体的には、学校に出向いてキャリア教育の授業をしたり、生徒・学生個別の進路サポートを行ったりしています。その活動にも参加しました。
 ほかに、日本マンパワーが主催している「キャリアカウンセラー試験対策学習法セミナー〜直近合格者が語る合格の秘訣〜」というイベントのゲストスピーカーとして、受験を控えたみなさんにお話しさせていただいたこともあります。
 以上が、資格を取得して最初の1年間で行ったことです。


                                           興味を持ったら学ぶ

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 アンガーマネジメントとは、1970年代に米国で始まった心理教育で、怒りをコントロールして、後悔しないようにすることが目的です。怒りは感情の中でも強い性質を持ち自己概念もよく見えるので興味を持ちました。現在は、ファシリテーターアドバイザーに認定されました。
 ワークショップデザインは、人と人とのコミュニケーションの場面を生み出す場づくりのことです。ワークショップの企画・運営、コーディネート、講師ができる専門家は、ワークショップデザイナーと呼ばれます。私はそれまでの勉強会などを通して場づくりの大切さを痛感してきましたので、ワークショップデザイナーの育成プログラムを受講しました。また、アドラー心理学はちょっと興味がわいたので、早稲田大学のオープンカレッジを受講しました。
 今年は、英語アロマテラピーリフレクションについて学びたいと思っています。

 もちろん、CDAをベースとした活動も続けています。たとえば「キャリアウィーク」。日本全国にいるCDAがキャリアに関するさまざまなイベントを立ち上げる、年に一度の週間のことです。このキャリアウィークに、私は昨年、6つのイベントを主催、ほかの人が主催するイベントにもいくつか参加しました。今年は「キャリアマンス」という名称に変わって週間から月間になりましたが、昨年同様、仲間と一緒に主催したり、興味あるイベントに参加したりしました。


知らないことに触れると心がザワザワ

 なぜ私がこうした活動や学びをしているかというと、好奇心が人一倍強いからだと思います。知らないことに触れると、心がザワザワ・ワクワクしてくるのです。たとえば、何かの勉強会に出席して誰かから新しい情報を聞くと、「面白そう」「やりたい」と思ってしまいます。
 これは、今年のキャリアマンスの振り返り会で気づいたことですが、どうやら私は「何かをやりたい」ようです。
 「一体、私は何をやりたいのだろう?」
 そんなことを考えられる機会を得られることも、CDAは私の心を惹きつけています。

 また、新しい場に出かけると、そこでまた新しい情報を得て心が動きます。人とのつながりが芋づる式に増えていくのに伴って、やりたいことも芋づる式に増えていくのです。
 共催している会が派生していくのも、その一環かもしれません。たとえば、先程お話しした「ロールプレイングの勉強会」は、「新米・先輩交流会」 という会を立ち上げるきっかけになりました。これは、CDAに合格したばかりの人に対して、日本キャリア開発協会の活動や更新ポイントなどについて情報提供したり、「先輩たちはこんな活動をやっているよ」と話したりする交流の場です。勉強会内のメンバー3人が共同主催者となって、勉強会への参加経験者を対象に試験が終わるたびに開催しました。
 さらに、「新米・先輩交流会」は、現在「ゆる月RAY会」という会に変わっています。「新米・先輩交流会」を何回か開催しているうちに、実は先輩として参加している人の方が「資格を取ったのだけれど、どうしていいかわからない」などの悩みを抱えている様子がうかがえたからです。そうしたCDAのために、安全・安心な環境でルールなくゆるく真剣に雑談をする場をつくろうと、共同主催の3人で考えて発足しました。


これから資格に挑戦しようとする人へ

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 これから資格に挑戦しようとする人には、それぞれ「なぜ資格を取りたいのか」の動機があると思います。でも、どんな資格でも同じですが、資格を取るだけで動機を満足させられるとは限りません。逆に、どのような動機であっても、自分次第で多様に資格を活かすことが可能だと思います。
 幸い、CDAは、資格取得後に日本キャリア開発協会からのサポートを受けられますし、資格取得者同士が横につながりやすい土壌があります。さまざまな人の経験や事例を聞く機会も多くあります。

 私の場合は、1対1のキャリアカウンセリングをすることがゴールではありません。現在は、CDAを対象とした場づくりや、新しいワークづくりに興味を持っていますが、資格の勉強をしたことが役に立つような何かであれば何でもいいと思っています。
 繰り返しになりますが、どのようなカタチでも人の役に立てば対人支援です。そして、人とかかわるすべての場面でCDA学習は役に立ちます。
 ぜひみなさんも、CDAを大いに役立ててください。


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