ちょっと一息

キャリアカウンセラーの資格活用 vol.23

高校生に対するCDAのかかわり方に大きな魅力を感じた

[2017/05/30]

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  どのような資格でも、活かし方は人それぞれ。在職している組織の仕事に活かす人もいれば、転職や再就職に活かす人もいますし、独立開業のきっかけとする人もいます。CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)の場合は、キャリア形成の専門家として、企業内の人事・教育部門や人材ビジネス、学校、行政機関などの分野で、多くの人が活躍しています。
 でも、本記事でご紹介する本多祐子さんは、そのいずれでもありません。仕事とは直接関係しない活動に活かしているのです。たとえば、日本キャリア開発協会の地区活動や研究会活動、キャリアコンサルタント受験生の学習支援、CDA同士の交流会の場づくり、子どもたちの成長を支えるNPO活動等々。さまざまな人たちとさまざまな活動を、やりがいを感じながら精力的に行っています。
 果たして本多さんは、どのような経緯でそうした活動にかかわることになったのでしょうか? それは「出向先で受託したひとつの仕事」がきっかけになったと言います。
 人それぞれの資格活用のカタチ。ぜひご参照ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 全日本空輸株式会社勤務
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 日本キャリア開発協会 関東支部
 東東京地区役員 ウェルカムトレーニング担当
 本多 祐子 さん


空港のカウンター業務から突然の出向

 私は新卒で航空会社に入社しました。仕事は羽田空港でのカウンター業務です。具体的には、搭乗手続きや搭乗前のサポート、乗り継ぎのサポート、各種案内などを担う接客です。現在はグランドスタッフと呼ばれますが、当時はグランドホステスと呼ばれていました。総合職ではなく専門職として採用されましたから、原則的に部署異動や転勤はありません。
 ところが、入社20年が経ったある日、関連会社に管理職として出向するように告げられました。専門職としては異例のことでしたが、新しいことには興味がありましたから、喜んで辞令を受けました。
 出向先の会社は、航空券の精算、キャンペーンやマイレージの案内デスク、マーケティングなど、さまざまな業務を手掛けていました。よく言えば、どんな事業でもできる会社です。ただその一方で、新しい仕事を探す必要もありました。私も含め、管理職は新規案件の受注に努めました。そうして受託した案件のひとつに、厚生労働省の「高校生のための就職ガイダンス」があったのです。


講師の教え方に、いい意味での違和感と興味

 「高校生のための就職ガイダンス」とは、就職を控えた高校生を対象に、働くことについての理解や動機づけを促すことを目的とした、半日ほどのガイダンスです。私たちが請け負ったのは、サブファシリテーターの派遣。「客室乗務員やグランドスタッフは接遇マナーが得意だろうから」という理由からです。メインファシリテーターは、他社が学生支援に長けた講師を手配していました。
 私が担当したのは、サブファシリテーターを派遣するためのスタッフ管理です。ただ、時には現場に出向いて監督することもありました。また、担当エリアが東北地方全域から近畿地方の一部までと広かったため、急にサブファシリテーターの都合が悪くなることもあり、自らサブファシリテーターを務めることもありました。

 そうして何回か現場に出向いていて、あることに気づきました。それは、講師の誰もが、生徒とのかかわり方が普通の人とは異なっていることです。私の知っている大人のかかわり方とは違い、いい意味での違和感があって、とても不思議な感じがしました。
 具体的には、生徒と目線が近い生徒のことを尊重している感じで、話をよく聴く。しかも、半日のガイダンスの中で生徒が変わってくる。嫌々ながらも仕方なく参加していたような生徒たちが、次第に自分から話し始める。講師に対して、ダボダボの学生ズボンをはいたやんちゃな子も、気が弱そうでおとなしい子も、「先生、先生」となついてきて「オレ、実はホテルで働きたいんだ」とか、「親に行ったらダメだって言われた」とか、「東京に行きたいんだけど、親が反対している」などと、自分のことを打ち明けるのです。おそらく生徒たちに「この人には言ってもいいんだ」という気持ちが芽生えていたのでしょう。
 その光景を目の当たりにした私は、「すごく面白い!」と大きな興味がわきました。


「私もこういう人になりたい」

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 私もそれまでの業務経験で、人に教えることはよくありました。その際には、相手のレベルに合わせて正しくわかりやすく伝えるよう工夫していました。「高校生のための就職ガイダンス」でも、もし自分が講師として教える立場になったら、きっと、正しくわかりやすく伝えるよう努めたはずです。
 ところが、私が「面白い」と思った講師の人たちは、どうやら正しく伝わったかどうかをゴールにしていないようでした。「この子たちがどう思っているのか」を大事にしているようなのです。
 たとえば、「働く」ということを教える時間では、正社員・契約社員・派遣社員・アルバイトなどの別や、請負の仕組みなどを教えます。でも、講師の人たちは、知識を正しくわかりやすく伝えることよりも、「(生徒が)なぜ、どれを選択したいのか」「その生徒にとってどんないいことがあるのか」「もっと考えなければいけないことは何か」などを伝えようとしているように、私には感じられました。
 「ああ、これは私に足りない魅力だ」「私もこういう人になりたい」と強く思いました。


                                                         受講しようと思ったけれど……

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 実は、現場でもうひとつ不思議に思っていたことありました。講師の方と名刺交換をすると、どの名刺にも「CAD」という肩書きがついていることです。「生徒とのかかわり方が魅力的な理由はこれかもしれない」と思った私は、ある日、講師の方に尋ねました。
 「この、キャドって何ですか?」
 そうしたら、キャド(CAD)ではなくてCDAでした。
 「これはシーディーエーと言って、キャリア・デベロップメント・アドバイザーの略称です。その人にとって望ましいキャリア形成や成長を支援する資格なんですよ」
 講師の説明に、私の関心はますます高まりました。
 すぐにインターネットで調べて資料を取り寄せ、いろいろ考えた結果、日本マンパワーの『キャリアカウンセラー養成講座』(現在の『キャリアコンサルタント養成講座』の前身)の申し込み手続きを始めました。
 ところがタイミング悪く、シフト勤務の部署に異動になってしまったのです。シフト勤務は休日が定まらず土曜・日曜が休みとは限らないため、『キャリアカウンセラー養成講座』を受講することは一旦ペンディングにしました。土日を休める日勤に異動してから受講しようと思ったのです。


最初の授業で「えっ?違う」

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 でもある日、ふと思いました。
 「日勤に異動したとしても、忙しいという理由をつけて受講しないかもしれない」
 そこで、ダメ元の気持ちで直属の上司に相談しました。
 「実は、CDAというキャリア形成を支援する資格を取りたいと思っているのですが、今のシフト勤務では通えません。3ヵ月間だけでいいのですが、授業のある毎週日曜日にお休みをいただくなんてこと、あり得ませんよね?」
 そうしたらなんと、あり得ました。上司が「そういうやりたいことがあるなら、ぜひやりなよ」と言って、シフト調整をしてくれ、曜日を公休にしてくれたのです。
 おかげさまで、『キャリアカウンセラー養成講座』を受講することができました。

 ところが、通学コースの最初の授業で衝撃が走りました。1対1のキャリアカウンセリングのロールプレイングがあると告げられたからです。それは、クラスメイトが相談者役とキャリアカウンセラー役に分かれて面接の練習をするというワークなのですが、私はびっくりしてしまいました。
 「えっ? 私がやりたいのはカウンセリングじゃない! 私はキャリアカウンセラーになりたいんじゃなくて、キャリア・デベロップメント・アドバイザーになりたいんだよ!」
 今では笑い話にしかなりませんが、完全に私の勘違いでした。キャリアカウンセラーとキャリア・デベロップメント・アドバイザーは、一般名詞か固有名詞かの違いであって、学ぶ内容や役割は同じ。そんなことも知らずに受講していたのです。
 でもそれが、現在の活動につながっていく、私のスタートとなりました。

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★キャリアカウンセラーとキャリア・デベロップメント・アドバイザーが別物だと勘違いするほどの初学者だった本多祐子さん。その後どのようにして、現在の精力的な活動に変わっていくのか? 本記事の続きは来月の当コーナーでご紹介いたします。
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