ちょっと一息

キャリアカウンセラーの資格活用 vol.29NEW

CDA受講・合格によって物事の捉え方が大きく変わった

[2018/04/27]

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 売り手市場だったバブル期の就職活動。当時、短大生だった林きよみさんは、「なんとなく空港で働きたいなぁ」という思いから、成田空港の免税店で働くことに。2年間勤めた後、家庭の事情で愛知県にある実家に帰郷。その後は、国内旅行ツアーの添乗員のアルバイト、住宅設備機器メーカーの事務職、スポーツ小売本社の派遣事務、人材サービス会社の派遣コーディネーターなどの仕事に就きます。キャリアデザインを思い描いていたわけではなく、「何も考えずに直感で職を変えていた」と言います。
 ここまでは前回の本シリーズでご紹介しました。今回はその続編です。

 人材サービス会社で正社員に登用された林さんは、あることがきっかけで大きな転機を迎えます。それによって仕事の捉え方が一転し、「初めて仕事が楽しいと感じた」そうです。
 林さんが変化した転機とはどのような出来事なのでしょうか? ぜひご覧ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 人材サービス会社
 就職・転職支援行政機関 副統括責任者
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 林 きよみ さん


自己研鑽のためCDAを受講

 3ヵ月契約の時給制で働き始めた人材サービス会社で、私は、女性役員の勧めに従って正社員登用試験を受け、正社員となりました。2002年秋のことです。契約社員から正社員に変わっても、コーディネーターとしての仕事内容に変わりはありません。
 ただ、漠然と「何か自己研鑽しなきゃいけないかなあ」という思いが働きました。そんな時、知人が「私はCDAの養成講座に通っているよ」と教えてくれたのです。
 「CDAって何?」
 「キャリア・デベロップメント・アドバイザーの略で、その人に合った働き方や生き方ができるようにカウンセリングをする専門家のことだよ。厚生労働省もこれから増やしていくと言っているよ」
 「ふーん、そうなんだ」
 この時初めて、CDAやキャリアカウンセラーのことを知りました。コーディネーターは派遣先と派遣スタッフとのマッチングや派遣スタッフの登録対応の仕事も担いますので、きっと仕事にも役立ちそうです。
 「じゃあ、私も受けてみようかなあ」
 そんな軽い気持ちで、日本マンパワーの『キャリアカウンセラー養成講座』(現在の『キャリアコンサルタント養成講座』の前身)名古屋校の受講を申し込みました。


初めて知った考え方に大きな衝撃

 ところが、通学コース(スクーリング)の初めての授業で大きな衝撃を受けました。
 それまでキャリアのことなんて考えたこともなかったので、「こんな考え方があるのか!」と驚いたのです。何もかもが衝撃でした。授業に出席するたびに新しい考え方を学ぶことができ、まさに目から鱗が落ちました。
 また、授業では約20人のクラスメイトがいくつかのグループに分かれてグループワークを何度も行うのですが、それもまた目から鱗状態でした。たとえば、受講のきっかけを話し合ったり、仕事に対する自分の価値観を話し合ったり、自分が生まれてから現在までの満足度チャートについて他者が気づいたことを話し合ったり。そうすると、クラスメイトの考えと私の考えがあまりにもかけ離れているのです。物事を捉える視座の高さスパンの長さがあまりに違っていました。
 「みんな、すごいなあ」
 「普段からこんなことを考えているのか」
 「こんな視点から物事を見ているんだ」
 「そんな考え方もあるんだなあ」
 クラスメイトとワークをすることで、自分の視点が低く視野が狭いことを思い知らされました。それまでの私は、自分とごく周囲のことをごく短い将来までしか見ていなかったのです。


初めて「仕事が楽しい」と感じられた

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 『キャリアカウンセラー養成講座』を受講したことよって、私の世界は大きく変わりました。物事の捉え方も変わりましたし、かかわる人も変わりました。
 仕事においても、それまでは「単なる作業」としか捉えられなかったことが、「意味のあるプロセス」に変わり、自分の業務の前後への影響を意識するようになりました。「今自分がやっている仕事が、この後でどういう風につながっていくのか」、あるいは「未来のために今の仕事をどうすればいいか」なども考えられるようになりました。「自分が何をやるか」ということに留まらず、「どのような仕組みにすればいいか」まで考えるようになったのも、受講のおかげです。
 今思えば、こうしたことが見えてきたことで、仕事の意味がわかったように思います。そして、本当の意味で初めて「仕事が楽しい」と感じることができました。
 クラスメイトには、企業の人事担当者やフリーランスの講師、コンサルタントなどさまざまな人がいましたが、多くの気づきをいただき、とても感謝しています。試験対策でもリーダーシップをとってくださる人が何人かいて、みんなで協力しながら学習し、おかげさまで1回で合格することができました。すごくありがたい限りで、あれから十数年経った今でも、多くの方とご縁が続いています。


仕事でも仕事以外でも良好な動き

 CDAに合格したことによって、仕事でも仕事以外でも良好な動きが現れました。
 仕事面では、担当業務のが広がりました。たとえば、大学のキャリアセンター等の事業。あるいは官公庁の就労支援事業。これらを受託する条件として、キャリアカウンセラー資格保有者の存在が求められる案件が出始めた頃だったのです。私が所属していた名古屋地区には、私一人しか資格保有者がいなかったので、CDA資格を持っていることで非常に貴重な存在となり、さまざまな業務や機関に関わることができました。
 また、コーディネーターの後輩・部下とかかわる場合に、養成講座で学んだ傾聴キャリア理論が非常に役に立ちました。派遣スタッフとのかかわり方もいい意味で変わりました。以前は派遣先とのマッチングばかりを考えがちでしたが、「この人がこれから充実した仕事をしていくためには、どうしていけばいいのだろうか」という視点を持てるようになりました。

 一方、仕事以外の面では、養成講座の運営スタッフとして講座のお手伝いをしました。その際に、私も教えていただいたインストラクターの先生から「働く人々のキャリアアップやスキルアップを支援するNPOの事務局運営スタッフをやらないか」とお声掛けいただき、休日にボランティアで活動することにしました。NPOではセミナーや研究会、イベントなどを企画立案し、集客のための発信や準備・運営、報告書の作成などを行いました。その活動で最もうれしかったのは、CDAの仲間と知り合いが増えたことです。10周年記念イベントの時には著名な経営学者・野中郁次郎先生のお話も聴くことができました。


                                            約80人を統括する責任者の立場に

 こうした動きと併行して、画像エラー私の役職も上がっていきました。最初はチーム内の責任者としてチーフコーディネーターになり、その後、愛知県・岐阜県・三重県を管轄する東海地区のコーディネーターの責任者になりました。東海地区で私より上役は1人だけになり、約80人を統括する立場になってしまったのです。
 もちろん、それは必ずしも資格取得が直接の原因ではないと思います。もしかすると、自分の業務範囲を決めずにさまざまな仕事をしていたからかもしれません。あるいは、以前から上司に「あなたは上の立場で指示をしたり、全体の仕組みを構築したりするのに向いている」と言われていましたので、それが影響したのでしょうか。自覚はありませんでしたが、自然にそうした方向に導かれていたのかもしれません。
 責任者になってからは、あらゆる仕事に携わりました。なにしろ東海地区には管理部門がありませんでしたので、やるべきことは広範にわたります。たとえば、メンバーの育成・研修、採用時のインターンシップ対応、新しく導入するシステムの研修、取材対応、クレーム対応、予算策定、本社との社内折衝等々。元々コーディネーターですから、人手が足りなければ、派遣スタッフの登録面接マッチングもします。労務管理も必要でしたから、当時は労働基準法などの法律契約書の内容など、さまざまなことを必死で勉強した時期でもあります。

 そうして名古屋で10年以上、充実した日々を送っていたのですが、2013年に異動の話が持ち上がりました。東京への転勤です。

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★契約社員から東海地区のコーディネーター責任者にまで登りつめた林きよみさん。果たして東京へ行くことになるのでしょうか? その後の林さんのキャリアストーリーは来月の同コーナーでご紹介いたします。
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