ちょっと一息

今につながる「私の転機」vol.3

人との出会いが仕事の幅を広げ、自分を望ましい方向に

[2017/09/28]

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 小さい頃からシナリオライターになるのが夢だった原博子さん。本記事は、原さんのキャリアストーリー第3話です。
 新卒で入社した不動産会社を27歳で退職し、下働きとアルバイトをしながらも努力を続け、ようやくシナリオライターとして独り立ち。その間には、結婚・出産・子育てなど充実した家庭生活も。他者からうらやましく思われるような日々を過ごしてきました。
 ところが、原さんご本人にはさまざまな思いが巡ります。周りの環境も少なからず影響しました。その後、シナリオライター活動の断念、社会保険労務士合格、社労士事務所退職、労働局入職などの転機が訪れました。そして、『キャリアカウンセラー養成講座』受講――。
 「自分でキャリアを分断してしまった」と、過去に悶々とした気持ちを抱いていた原さんは、養成講座受講によって「初めて自分の人生にYESを出せた」と言います。それから先、どのような経緯で現在の活躍につながっていくのでしょうか? ぜひご一読ください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 社会保険労務士
 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
 2級キャリア・コンサルティング技能士
 JCDA認定 ピアファシリテーターアドバイザー
 日本キャリア開発協会 東関東支部 千葉地区役員 PF担当
 原 博子 さん


日本キャリア開発協会のピアファシリテーターになる

 私が日本マンパワーの『キャリアカウンセラー養成講座』(現在の『キャリアコンサルタント養成講座』の前身)を受講したのは、2010年6月開講の講座です。旧制度だった当時は、1次試験(筆記)の合格者だけが2次試験(実技)を受けられる仕組みでしたが、運よくともに1回で合格することができました。
 合格後は、キャリアカウンセラーとしての学びを深めるため、ピアファシリテーターのオーディションを受け、日本キャリア開発協会(JCDA)の認定を受けました。ピアファシリテーターとは、キャリアカウンセリングの質を高めるためにCDA有資格者が学ぶ場、いわゆる勉強会を円滑に進めるためのファシリテーターです。数人から20人までのCDA有資格者が集まる場で、みなさんと一緒にロールプレイング(キャリアカウンセリングの模擬面談)の実践を学んできました。


キャリアコンサルタント実技対策講座の講師

 ピアファシリテーターでの学びは、私にとって非常に大きなものになりました。また、それによって日本キャリア開発協会の地区役員も任されるなど、さまざまな方と出会う機会が増え、自分が望ましい方向に向かうきっかけとなりました。
 まず、日本マンパワーから「キャリアコンサルタント試験の実技対策講座の講師をやってくれないか」とお声掛けをいただきました。国家資格キャリアコンサルタント試験を控えた人が、面接試験でのロールプレイングの向上を目指すための講座です。もちろん、喜んでお引き受けしました。
 ピアファシリテーターからつながった実技対策講座の講師は、さらにその後の活動の幅を広げていくことにつながります。講座で出会った受講生と、CDA合格後も交流が続き、勉強会やセミナーの企画を共に行うなど、ネットワークがどんどん広がっていきました。


未来の私からメッセージをもらうワーク

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 またある時は、子ども向けの塾の先生を募集している方から相談を受けたことがありました。よくお話をうかがうと、自宅に子どもを呼んで教えるという形式の塾を開校し、先生として活躍できる人を探しているとのことです。ところが、先生のなり手が少ない。説明会を開催して「先生として自宅で開校しませんか?」とお誘いしても、なかなか決心してもらえないと言います。
 その話を聴きながら私は、「説明会に参加する人はどういう気持ちで参加しようと思ったのだろう?」などと、キャリアカウンセリングの視点で考えていました。ただ先生になることをお勧めするだけでなく、参加者本人が「どうしてそういうことに興味を持ったのか?」「どのような未来の自分を描いているのか?」ということを、自分自身で見つめることが大切だと思いました。
 そこで、現在・過去の自分を見つめた上で、未来の自分からメッセージをもらうという、ワークショップ形式のセミナーを提案しました。担当者の方が非常にキャリアカウンセリングにご理解があったこともあり、その提案が受け入れられ、講師として実際にセミナーを実施してみました。すると、「ああ、だから私はこの仕事に興味を持ったんだ」「そうなんだ、じゃあやってみようかな」という参加者が現れるようになりました。
 この「未来の私からメッセージをもらうワーク」は以前も他の業界で行ったことはありましたが、この時ほど、「人は自分のありたい姿に導かれてキャリア形成を図っていくんだ」と実感したことはありませんでした。この種のワークショップは、今や私にとってライフワークになっています。


労働局で障害のある方の一般雇用を促進

 一方、助成金の支給申請アドバイザーとして働いていた労働局では、新たな分野の業務に取り組むことになりました。新しい担当は、厚生労働省が新しく立ち上げた「福祉、教育、医療から雇用への移行推進事業」です。これは、障害があることによって一般雇用が難しい状況だった人を、一般雇用につなげていこうとするものです。一般雇用に対するさまざまな不安を払拭してもらうため、医療機関・就労支援機関・特別支援学校などにアプローチして、本人の職業準備性を高めたり、自己理解を促したりするプログラムを実施します。
 この事業への異動希望が叶ったのはおそらく、CDAとして活躍なさっている方々が職場で高く評価され、そのCDA資格を私も取得できたからだと思います。
 1年契約の非常勤職員ですが、私にとっては有期であることがモチベーションにつながり、働きやすい環境・条件です。私の満足度・充実度はさらに高まっていきました。

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原博子さんのライフラインチャート

※ライフラインチャートとは、縦軸に満足度・充実度、横軸に過去の年齢(時間軸)をとって、自己の内面を探求する曲線のことです。


『キャリアコンサルタント養成講座』のテキストを執筆

 こうして順調かつやりがいをもって働いていた中、たったひとつだけ、引き受けるのを躊躇した仕事があります。それは、日本マンパワーの『キャリアコンサルタント養成講座』テキストの執筆です。私には労務管理論の章を頼みたいとのことでした。
 しかし、社会保険労務士の資格を持っていたものの、当時の私にはテキストを書くほどの自信がありませんでした。また、自分の人生にYESを出してくれた養成講座に対して敬意を抱いていたので、「気軽に引き受けるべきではない」との思いが働きました。
 ただ以前から、テキストには労務管理の知識を書くだけでなく、「労務管理を学ぶことはキャリアカウンセラーにとってどのような意味があるのか」という意義や役割まで落とし込めたらいいな、と思っていました。その思いが日本マンパワーの編集担当者と一致したため、執筆させていただくことにしました。
 執筆にあたっては非常に苦労しましたが、最終的には労務管理論が身近に感じられるような仕上がりになったと思います。その高揚感を記念して(笑)、社労士として開業登録もしました。実はそれまで、合格はしていたものの独立開業に踏み切る勇気がなく、開業登録していなかったのです。
 そして、社労士登録に伴って社労士同士とのつながりもできました。また、「組織も個人もハッピーに」という私のスローガンが明確になりました。社労士として組織を支え、キャリアカウンセラーとして個人を支えるという立場を両立できるようになったからです。

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★次回はいよいよ原博子さんの最終ストーリー。シナリオライティングとキャリア
カウンセリングがつながります。来月の当コーナーにご期待ください。
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