ちょっと一息

ハッピーキャリアの作り方 Vol.5

子どもたちが「幅広い視野で職業を学べる」カード

[2008/09/29]

 世の中には、約3万種類の職業があると言われます。あと何年か後に就職活動を迎える高校生や大学生は、このうち何種類知っているのでしょうか? 私の知り合いの学習塾講師によると、「進学校の優秀な学生でも、驚くほど知らない」と言います。インターネットの普及でどんな情報でも手軽に手に入る、むしろ情報があふれている状況の中で、何とも不思議な現象ですね。新卒学生の早期退職が増えていることや、フリーターやニートの人口が増えていることも、こうした現象と無関係ではないような気がします。
 お子様を持つ方はいかがでしょうか? みなさんのお子様は、仕事についての関心や職業についての知識をお持ちでしょうか?
 先月にご紹介した『未来をひらく職業カード〜ハピキャリキット』は、「自分の興味・関心の方向性を探る」だけでなく、「幅広い職業について、その特性を整理して把握する」ことも可能です。その活用法の一例を、キャリアカウンセラーの植木千秋さんにお伺いいたしました。ご家庭、学校、就職支援施設などでぜひお役立てください。


●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 キャリアドック部 次長
 CDA(キャリア・ディベロップメント・アドバイザー)
 植木 千秋 さん

 


− “やってみたい職業”の特性を知る−
 自分自身が将来携わる仕事について、その方向性を見い出していくためには、少なくとも2つのことを把握する必要があります。ひとつは“自分の興味・関心の方向性”、もうひとつは“職業についての情報”です。
 『ハピキャリキット』を活用して“自分の興味・関心の方向性”を探る方法は前回ご紹介いたしましたので、今回は“職業についての情報”を整理して考える方法をご紹介いたします。

A−1 まず、『ハピキャリキット』の中から職業カード60枚を取り出します。職業カードのオモテ面には、現在3万種類あると言われる職業の中から、代表的な職業について、1枚に1職業ずつイラストが描かれています。
A−2 付属の分類シートを広げ、60枚の職業カードを“やってみたい職業”と“やってみたくない職業”のどちらかに、子ども自身の考えで振り分けます。

A−3 “やってみたい職業”に振り分けたカードをウラ返します。そうすると、そこには【どんな仕事?】【なるには?】【同じような仕事は?】という職業の特性が記載されています。

 たとえばシステムエンジニアの場合、【どんな仕事?】の欄には次のように記載されています。

 学生が“システムエンジニア”と聞くと、コンピュータの前ばかりに座っているようなイメージを思い浮かべがちですが、実は『お客様と打ち合わせ』なども行わなければならないことがわかります。また、【なるには?】【同じような仕事は?】の欄を読むことによって、自分の進路や可能性を考えるきっかけにもなります。

 ほかの職業についても同様で、知っているつもりだった職業でも、実は『勘違いしていた』と気づくケースは少なくありません。自分が選んだ“やってみたい職業”の特徴を探り、それらの共通点を見い出すことで、職業への理解・関心を高めることができるかと思います」


−職業の特性を体系的に整理する−
 「また、多くの職業を体系的に整理するには、次の活用法も有効です。

B−1 分類シートを広げ、矢印の対角に分類軸カードを置きます。分類軸カードには、たとえば次のような種類がありますが、どの組み合わせを置いても構いません。
     ・屋内で行う職業 ←→ 屋外で行う職業
     ・すわり作業が多い職業 ←→ 立ち作業が多い職業
     ・チームで協力して行う職業 ←→ 1人で行う職業   など
B−2 職業カード60枚のうち、代表的な18枚(活用マニュアルで指定)を取り出し、それらがそれぞれどちらの分類軸カードに属するかを分類します。
B−3 B−2の分類結果について、家族やクラスメイトと意見交換します。

 子どもたちが職業を考える時、『パソコンを使う職業か』『いろいろな人と話せる職業か』など、一般的に知られていることばかりに囚われがちです。でも、この作業によって、働き方や働くスタイルなど別の見方があることをわかってもらえるかと思います。
 また、分類軸カードには『勤務時間や休日が定期的な職業』←→『勤務時間や休日が不定期な職業』などライフスタイルに関わるものもありますので、自分の志向に合っているかどうかを考えるキッカケにもなります。こうしたことをご家庭や学校などで意見交換しながら考えることで、さらに職業理解が深まるものと思います」


     分類軸をクロスして考えるワークも可能


−自ら考えて答を見つけていく大切さ−
 「『ハピキャリキット』はトランプのような感覚で、いろいろ応用することもできます。たとえば、次のような“お題”を出して取り組む方法。

  Q 新しいレストランをオープンしようとしています。助けてくれる職業は?

 子どもたちはおそらく、まずは【ウエイター・ウエイトレス】【コック】【レストラン支配人】などの職業カードを選ぶでしょう。しかし、レストランのオープンに関わる職業はそれだけではありません。融資の相談のために【銀行(金融機関)窓口係】、遠方の食材を運ぶ【パイロット】【航空管制官】、お客様にPRするためには【図書編集者】や【放送ディクター】の助けを借りることもあります。
 こうした職業間の関わりを考えることで、『いろいろな職業の人たちが関わり合い、それぞれに意味ある役割を担っている』ことが理解できるのではないでしょうか。

 現代の子どもたちは、すぐにインターネットなどに頼り、膨大な情報の中から簡単なクリック操作だけで、あまり深く考えることなく”答”を見つける習慣ができてしまっているように思います。しかし実社会には、すぐに”答”が見つからないこと、”答”がひとつでないことがたくさんあります。
 なかでも就業に関しては、簡単に答を見つけるよりも、自ら考え、悩み、人に相談しながら答を見つけていく方が、本人が十分納得できるはずです。『懐に落ちる』とでも言えるでしょうか。
 
実際に『ハピキャリキット』を体験した高校生・大学生からは、『面白かった』『初めて知ることが多かった』『どうしてこんなに自分のことがわかるの?』などの好評を得られています。ぜひ、お子様の将来のためにご活用ください」

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●未来をひらく職業カード『ハピキャリキット』
 (実用新案登録第3140778号)
 キット本体 3,150円(税込)
●指導者用活用マニュアル
 1,000円(別売、税込)

お申込書はこちらから(PDFファイルが開きます)

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