ちょっと一息

キャリアの探し方・作り方 vol.8

ビジネス・コミュニケーション力を磨く

[2007/06/22]

 「年上のスタッフを使うのが難しい」
 「大勢のパートタイマーをマネジメントするのに苦労する」
 「会議や顧客の前でもっと上手に説明できるようになりたい」
 「お客様が商品・サービスの価値をわかってくれない」
 「何度言い聞かせても、部下がやる気を見せない」


 みなさんが仕事上で直面する悩みや課題は、状況によってさまざまかと思います。上に挙げた悩みや課題も、それぞれの実情を反映していますよね。でも、
これらはすべて、「コミュニケーション能力で解決できる」という点で共通するらしいのです。一見、まったく異なる悩み・課題のように思えますが、その解決策は近い所にあるようです。
 では、どうすれば自分の悩みを解決できるのでしょうか? 今回はコミュニケーション能力に着目し、日本マンパワーの法人営業担当・柏木鉄也さんにお話を伺いました。みなさんのスキルを磨くヒントになれば幸いです。

●今回お話を聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 人材開発営業本部 東京営業第1部 第1課  柏木 鉄也 さん

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−課題を解決する3つの力−
 「コミュニケーション能力が必要なのは、若年層に限ったことではありません。むしろ、入社年次が上がれば上がるほど、高度なコミュニケーション能力が求められます。ですから、各企業の階層別研修でも、コミュニケーション能力を伸ばすプログラムが組まれるケースが多くなっています。

 こうした傾向には2つの理由があります。
 まずひとつが、企業にとっての外部環境です。製品や価値が多様化した現在においては、商品・サービスそのものによって同業他社と差別化するのが難しい状況です。ですから、商品・サービスを取り巻く人材によって差別化し、自社の優位性を保つことが必要とされているのです。
 たとえば営業職の場合、『顧客ニーズに即した提案型営業』がその代表例だと言えます。もっとも、そうした提案型営業をするためには、
顧客ニーズを引き出す力や提案する力が必要とされます。実はそれらこそ、コミュニケーション能力そのものなのです。細分化すると、『質問力(質問する力)』『傾聴力(聴く力)』『プレゼンテーション力(表現する力)』だと言えます。この3つの力を適切な営業プロセスで活用して初めて、営業力が高まるように思います。
 ですから、たとえば『お客様が商品・サービスの価値をわかってくれない』というケースでは、おそらく営業担当者にいずれかの力が不足していて、『その商品・サービスが必要だ』とお客様に気づいてもらえないのではないでしょうか。
 また最近では、SEなど技術職の人がお客様に説明するケースも増えています。そうした場合には、わかりやすく、お客様に満足してもらえるようなプレゼンテーション力が求められます」


−職場で直面するコミュニケーション問題−
 「コミュニケーション能力が必要とされるもうひとつの理由は、企業の内部環境です。終身雇用が崩れ、中途採用が活性化したことで、異文化で育った人材がひとつの企業に集まり、コミュニケーションがとりづらくなっているのです。さらに、パートタイムやアルバイトをはじめ、派遣社員や契約社員など雇用形態も多様化しています。こうした背景が、コミュニケーション能力の必要性を高めています。

 たとえば、スーパーの社員になると、入社1〜2年の若い人でも売り場責任者などスタッフを指導する立場になります。コンビニエンスストアなら、店長を任されることもあるでしょう。エンドユーザーに商品・サービスを提供する会社の顧客対応窓口などでは、数十人のスタッフをマネジメントしなければならないケースもあります。
 そうした際、
立場も勤務時間も異なる人たちといかに効率よくコミュニケーションすべきか、いかに職場の雰囲気を改善するか、いかにスタッフの不満を吸い上げるかなど、人材育成や職場定着率向上に向けてのコミュニケーションが課題となります。
 一方、年次が上がって管理職ともなれば、より高度な指導力が求められます。しかし、従来型の一方通行的指示では部下のやる気が芽生えず、逆に『やらされ感』ばかりを募らせてしまう結果になりかねません。がんばって働いても成果や報酬が目に見えて上がるような時代ではなく、なおかつ、働く人の価値観が多様になったからです」


−立場や入社年次に応じた留意ポイント−
 こうした内部環境に起因する悩みや課題についても、
『質問力』『傾聴力』『プレゼンテーション力』の3つがポイントとなります。
 入社1〜3年の若年層にとっては、特に、自分の言いたいことをビジネスとして適切な表現で伝える力がポイントとなります。そうでなければ、自分にストレスが溜まる上、周囲からの評価も高まりません。アサーティブな言動が求められるわけです。また、人の話を聴く際に、反応が薄いことも若年層の特徴のようです。自分の言いたいことを言うだけではなく、相手の話を汲み取った上であいづちを打つ、相手が話した内容を別の表現で繰り返すなど、『きちんと聴いている』『理解している』様子を伝えることにも気をつけることが望まれます。
 一方、管理職にとっては、質問力と傾聴力がポイントになります。『はい』『いいえ』で答えられるような質問ではなく、部下が自分で考えを広げられるような質問を投げかけ、やるべきことを自発的に気づかせるように誘導していくコーチングの手法が効果的だと言われています。また、その上で今度は、チームをあるべき方向性に向かわせるための推進力、すなわちファシリテーション力が求められることになります」


−自分も相手も満足できる関係を築く−
 「もちろん、一朝一夕にコミュニケーション能力を高めるのは容易ではありません。時間と努力を要します。ただ、能力向上の方法がないわけではありません。それは、自分のコミュニケーション能力を自ら客観的に評価することです。
 日本マンパワーで提供している研修のひとつに、ロールプレイングを中心としたプログラムが多数あります。そこでは、参加者が営業担当者役や顧客役などに分かれ、話している様子をビデオ撮影します。そして、ロールプレイングが終わったら、その撮影したビデオを本人に観てもらいます。そうすると、今まで思い込んでいた自分と違う自分が画面に出てくることが多いのです。画面に映し出された自分の欠点に気づくことができれば、コミュニケーション能力向上の度合いは飛躍的に高くなります。一度、お試しになってはいかがでしょうか?
 ビジネスで必要とされるコミュニケーション力とは、
『自分も相手もWin-Winの関係になれる双方の意思疎通』だと思います。自分だけの満足や、相手だけの満足では、理想的なコミュニケーションとは言えません。自分と相性が合わない人とでも円滑なコミュニケーションが図れるよう、少しでもみなさんのご参考になれば幸いです」
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