ちょっと一息

キャリアの探し方・作り方 vol.9

自己成長を支援する「理論と実践」

[2007/07/26]

 「世界で傑出した社会起業家」(スイス・シュワブ財団選出)に、日本人としてただ一人選ばれた人がいます。農薬や化学肥料を使わず、水田にアイガモを放して雑草や害虫の除去を実現した古野隆雄さん。その古野さんが、テレビで次のような発言をしていました。

  干ばつの時こそ、植物は根を張る。
  そして、雨という偶然のチャンスをものにする。


 果たして私は、偶然のチャンスのものにできているのかしら?
 そんなことを考えていた時、学生を対象にキャリアセミナーなどを行っている日本マンパワーの森和恵さんから、興味ある話を伺いました。

 キャリアアップにも、偶然の出来事を生かす理論があるというのです。それは
「プランド・ハプンスタンス・セオリー」と呼ばれるもので、キャリア理論で著名な米国のジョン・D・クルンボルツ博士らが提唱しました。
 みなさんは、「偶然の出来事」を生かしきれていますでしょうか? そのためには、5つのスキルが必要なようです。

●今回お話しを聞いたのは・・・
 株式会社日本マンパワー
 キャリアドック部 CDAセクター  森 和恵 さん

−偶然をキャリアに生かす5つのスキル−
 偶然の出来事は人のキャリアに大きな影響を及ぼし、かつ望ましいものである。そして、予期しなかった出来事をキャリアの機会とすることができた時、その出来事は
「プランド・ハプンスタンス(=計画された偶然)」に変わる――。

 「プランド・ハプンスタンス・セオリー」とはこのような理論で、私も好きな考え方のひとつです。
 確かに、人生にはいくつもの「偶然の出来事や出会い」があります。そして、その偶然には、必ず何がしかの「キャリアの種」が存在します。その種を大事にして生かせるかどうか、それが自分のキャリアアップに重要だと思います。
 もっとも、この理論は「偶然を待っていればいい」という意味ではありません。「予期しない偶然の出来事」とは実際には何らかの行動によってもたらされるものであるとするこの理論では、予期しない出来事を呼び込むための「行動」の重要性を強調しています。
「プランド・ハプンスタンス・セオリー」では、「予期しない偶然の出来事」をキャリアの種に変えるには、次の5つのスキルが必要だとしています。

 1 好奇心:新しい学びの機会を模索せよ。
 2 持続性:失敗に負けずに努力し続けよ。
 3 柔軟性:姿勢や状況を変えよ。
 4 楽観性:新しい機会は必ずやってきて、それを自分のものにすることができると考えよ。
 5 冒険心:結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ。



−自分の方向性を定めてアンテナを高く−
 こうして5つのスキルを並べると難しいイメージになりますが、新しいことを怖がらず、失敗してもめげないで、「これ面白そう」と思う姿勢を持っていればいいと思います。そうした姿勢で常にアンテナを高く立てていれば、自分に有用な情報や人が向こうから寄ってくるのではないでしょうか。
 ただ、漠然とでもいいので、『こういう仕事がしたい』『こういう感じになりたい』という自分の進みたい方向性を定めておくことが大切です。方向性が定まっていないとアンテナの方向性も定まらず、大事な種を見つけにくいからです。

 従来のキャリア理論では、「キャリアプランを策定し、その目標に向かって計画通りにキャリアを積んでいく」という手法が一般的でした。しかし、現代は変化の激しい時代ですから、自分の計画通りに進むとは限りません。むしろ、うまくいかない方が当たり前だと言えます。
「プランド・ハプンスタンス・セオリー」は、そんな現代にマッチした理論です。

 学生の方も社会人の方も、新しい人やものに出会う機会は少なくないはずです。そうした時、異質なものに関心を持って、ぜひキャリアの糧としてください。もしかすると、偶然のように見えて、実は偶然ではないかもしれません。

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